病気・予防接種
Q. 1か月健診で陥没呼吸を指摘されました。 (2022.5)
- (妊娠週数・月齢)1か月
生後1か月の息子がおります。誕生時には何も言われませんでしたが、1か月健診のときに陥没呼吸が認められ、大学病院を紹介していただきました。受診したところ、心臓や鼻腔、気管などにとくに異常は認められず、経過観察となりました。けれども、何も原因なしで陥没呼吸になるものなのかと、毎日不安が募るばかりです。寝ているときや泣いた後、ミルクの後など、とくに苦しそうです。陥没呼吸はどのような原因で起こるのでしょうか。日常生活の注意点などについても教えてください。
回答者: 板橋家頭夫先生
一般に陥没呼吸は、息を吸う際に肺の中に十分に空気を取り込むことができない場合に、努力呼吸のために胸骨の下部や肋骨の間が凹む状態を指します。具体的に生後1か月ごろに認められる原因としては、鼻孔の狭窄(狭くなっている状態)や、喉頭軟化症、肺の病気(もっとも多い病気は急性肺炎)、先天性心疾患などが代表的なものです。しかしながら、大学病院で精査し現時点で明らかな病気がないとのことですので、さしあたり心配はないのかもしれません。
息を吸う際に陥没呼吸とともに鼻翼を膨らませたり、血中の酸素が少なくなり唇が紫色になる状況(チアノーゼ)、唸り声(しんぎん)を伴うことがしばしば認められますが、このような症状はないのでしょうか? また、パルスオキシメーターで酸素飽和度は測定されましたか? 気道や肺、心臓に明らかな異常がなく、酸素飽和度も低下せず、陥没呼吸だけだとすると、軽度の漏斗胸の可能性も考えられます。出生直後より1か月のほうが呼吸に関わる筋肉は強くなっているため、激しく泣いたり、授乳時に、胸骨下部の陥没が目立つようになります。聴診上、スムーズに肺内に吸気が届いているのであれば、主治医の判断にゆだねてしばらくの間、経過観察してもよいと思います。