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発育・発達

Q. 先天性心疾患のある4か月の子。頭囲の成長スピードが緩やかです。 (2022.12)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

もうすぐ生後4か月になる息子の頭囲の成長スピードについて心配しています。先日、3~4か月健診を受けました。出生時は2,724g 身長48.0cm 胸囲29cm 頭囲33.5cm でした。1か月健診では3,995g 身長53.6cm 胸囲34.0cm 頭囲36.5cmに。3~4か月健診では 5,090g 身長60.0cm 胸囲37.0cm 頭囲39.0cmでした。先天性心疾患のため体重増加が少ないのですが、頭囲の成長もゆっくりになってしまっているのが気になります。体重増加が不良の場合には、頭囲も成長が緩やかになるのでしょうか?

回答者: 板橋家頭夫先生

 乳児期の成長はさまざまな要因の影響を受けます。お子さんの生後4か月時点の成長は、体重や身長、頭囲ともに極端に小さいわけではありません。カウプ指数を計算すると14.1とやせ気味です。子宮内での胎児の発育不良や頭蓋骨早期癒合、トキソプラズマやサイトメガロウイルス、梅毒などの先天感染症、染色体異常症などの先天的な異常があると、子宮内で頭囲の成長速度が遅くなることが多いのですが、生まれたときの計測値を見るかぎりその可能性は低いと思われます。

 お子さんに先天性心疾患があるとのことですが、この疾患があると、どのお子さんも成長が遅滞するわけではありません。具体的な病名や利尿剤の服用・授乳量の制限の有無など、お子さんの先天性心疾患に関連する情報や、母乳栄養なのか人工栄養なのか、授乳量はどの程度なのかなどの情報が質問には記載されておりませんでしたので、生後1か月以後、成長がゆっくりとなった原因については根拠を持って判断できません。

 「体重増加がゆっくりになれば頭囲の成長も同じようになるのか?」のご質問ですが、その答えは “NO”でもあり“YES”でもあります。胎児期や新生児期・乳児期に栄養摂取量が制限されている状況では、体重増加を多少犠牲にしても頭囲の成長(つまり脳の成長)を維持しようとします。しかし、この状況が長期化したり、さらにより深刻な低栄養状態にさらされれば体重も頭囲もともに成長が鈍化します。

 お子さんの身体計測値の変化も重要ですが、最も大切なことは発達が月齢相当なのかという点です。例えばこの時期でしたら、首がすわっているか、あやすと笑うか、喃語が出るかなどです。これらが確認できるのであれば、主治医のところで経過を見ていけばよいと思います。