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妊娠中の気がかり(生活)

Q. 妊娠8週目。絨毛膜下血腫が残っていますが、仕事復帰してよいのでしょうか? (2023.2)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

現在妊娠8週目です。不妊クリニックに通い、体外受精で妊娠しました。妊娠5週で大量出血して、絨毛膜下血腫で切迫流産と診断されました。クリニック卒業の7週まで自宅安静の指示があり、ほぼ寝たきりでお風呂も入らない生活をしていました。ところが、先日不妊クリニックを卒業し、産婦人科に転院したところ、「血腫は子宮口側に3〜4cmで残っているが、自宅安静の必要はまったくなく、仕事にも復帰してよい」と言われました。現状、大量出血はないですが、トイレットペーパーにちょっと血がつく程度の出血があります。インターネットの情報を見るかぎり、血腫が消えるまで自宅安静か入院をされている方ばかりだったので、本当に通常どおりの生活に戻っても大丈夫なのか心配です。

回答者: 安達知子先生

 一般的に、妊娠した際には約15%が流産となり、その症状は子宮出血と下腹部痛です。また、その原因の多くは胎児側の要件ですので、安静にしていてもしていなくても流産となります。

 絨毛膜下血腫は正常の妊娠であってもときどき見られる所見で、しばしば子宮出血をきたしますが、妊娠週数が進むにつれて縮小し、吸収されていきます。体外受精などの生殖補助医療を用いた場合には人工的なホルモン補充で妊娠が維持されていることや子宮内への操作などがあったことから、より高率に見られる印象があります。絨毛膜下血腫が増大し子宮内での出血が多ければ、流産率も高くなる可能性があります。そのため、妊娠初期では、できる限り安静にしていただきたいとお話しします。

 一方、妊娠8~9週以降になりますと、妊娠維持に必要な黄体ホルモンは初期胎盤から分泌され、出血は多少見られていても、流産のリスクは下がります。いま、8週に入り、胎児の状態もしっかりと見えていて、さらに血腫は子宮口側に移動して残っていることから、大切な初期胎盤の下にはないものと思います。絨毛膜下血腫があっても、それが原因で流産リスクが上昇するものではなく、通常の生活に戻っても大丈夫と判断されているのでしょう。その場合は、運動やアクティブな活動は控えめにして、ようすを見ながら過ごしてください。ただし、いままでに流産歴があったり、日常生活に戻るのがきわめて心配であれば、担当医にその旨を伝えて、対応してもらってください。