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Q. 3児の母。同居の実母とのケンカを繰り返してしまいます。 (2023.5)

  • (妊娠週数・月齢)1歳0か月

実母と同居し、8歳、5歳、1歳の男の子を私たち夫婦と実母とで育児しています。母とは、いつも同じような内容でよくケンカをします。私は母の嫌味で不機嫌になってしまったり、仕事や育児で落ち込んだことで不機嫌になってしまいます。母は私の不機嫌な態度に対して腹を立て、日々の感謝が足らないと言って怒鳴ります。その都度感謝の気持ちを伝えているつもりですが、母の望む形ではないようで、よく怒られます。こんな状態を直したいと思っているのですが、一年に数回、ケンカになります。そのたびに、こんな幼い親ではダメだなと落ち込んでしまいます。子どもにも主人にもよくない影響があると思うので、同じケンカを繰り返したくないと思うのですが、よい方法はありませんでしょうか?

回答者: 帆足暁子先生

 実母とのけんかを繰り返さない方法ですね。
 「いつも同じような内容で」ということですから、ケンカの原因は、「あなたの不機嫌な態度」に実母が腹を立て「感謝が足らない」という「実母の思い」のようですね。

 なぜ、実母はあなたの「不機嫌な態度」に腹を立てるのでしょうか。
 あなたが不機嫌になるのは「実母の嫌味」、「仕事や育児で落ち込む」ことですね。実母の嫌味がどのようなものかはわかりませんが、あなたは実母と一緒に育児をしているということですから「親になってもまだ私を頼りにしている」「あなたは私がいなければダメなの」という、いつまでたってもあなたを自分の子どもとして見ようとする実母の思いが、嫌味になっているのかもしれません。その嫌味にあなたが不機嫌になるということは、そういう実母から自立して精神的に離れようとしているあなたを感じて不安になり、その不安が実母の怒りを引き出してしまっているのかもしれません。

 それから、「仕事や育児で落ち込む」不機嫌なあなたを見ると、実母はあなたを心配しすぎて、「そんなことで落ち込まないで!」とその心配からあなたを怒鳴ってしまうのかもしれません。あるいは、こんなにあなたを助けてあげているのに落ち込むなんて、まるで自分が役に立っていないと言われているようで、自尊心が傷つけられて「不機嫌になるなんて感謝が足らない」と、あなたに怒りをぶつけているのかもしれません。

 でもあなたはその都度感謝の気持ちを伝えているのです。本来であれば感謝が足らないということにはならないはずです。でも、あなたが書かれているように「母の望む形ではない」ということのようです。一番簡単な方法は、実母の望む形を聞いて、それを実行することです。単純に考えれば「感謝されている」と実母が思えることで、ケンカはなくなるはずです。ただし、すでに述べましたように、実母があなたに対して複雑な思いを抱えているとしたら、現実にはそう簡単に物事は進みません。つまり、まだあなたに子どもとして実母を頼ってほしい気持ちと、心配をかけないようなしっかりした親になってほしい思いを抱えているからです。ですから、今回のようなケンカが解決したとしても、何か他の問題が起きてくる可能性もあります。

 また、あなたが、実母の望む形を聞いたとしても、そうしたくない気持ちになることもあるでしょう。

 では、あなたはどうしたらよいのかを考えてみます。
 あなたは実母との関係や落ち込むことによって「不機嫌」になるようです。この不機嫌になることが「ケンカ」を起こし、もしかしたら、あなたに「こんな幼い親ではダメだな」と感じさせることにつながっているかもしれません。そうであるならば、あなたが自分の思いを整理して、「こんな理不尽なことは不機嫌になっても仕方がない。それなのに私はよくやっている」と自分を褒めることで不機嫌な思いを解消したり、「これはよくなかったかな。まぁ、いいか。次は頑張ろう!」と自分に期待したりすることで、不機嫌にならなくても済むかもしれません。そう思う自分を繰り返し体験することで、自信がついてくるのではないかと思います。だって、「完璧な親なんていない」のですから。

 そう思ってもなかなかそういう考え方を身につけることが難しかったり、つらい気持ちが強かったら、子ども家庭支援センターや保健センター、子育て相談をしている専門家と一緒にやってみてください。人間はひとりで頑張らなくてよいのです。