発育・発達
Q. 1歳1か月児。大泉門がまだ軟らかいように思います。 (2024.5)
- (妊娠週数・月齢)1歳1か月
1歳1か月の女の子を育てています。大泉門が閉じていないのか、頭頂部あたりに私の人差し指の爪くらいの大きさでまだ軟らかいところがあります。その横にも硬くもない微妙な箇所があり、触ると拍動を感じます。10か月健診ではとくに指摘はありませんでしたが、体は小柄です。頭囲は生まれたときから少し大きめで、いまも47cmくらいあります。急に大きくなったりはしていません。ひとり歩きもしますが、まだはいはいが基本です。言葉はたくさん出ていて発達面はとくに気にしていません。大泉門の閉じ具合について受診してみるべきでしょうか? そもそも大泉門は何のために開いているのでしょうか? またいつごろまでに閉じるのでしょうか? 教えてください。
回答者: 東海林宏道先生
生後早期は脳の成長に対応できるように頭蓋骨のつなぎ目が離れた状態になっています。大泉門は4つの頭蓋骨の交点で頭頂部にあり、生後6か月までは直径3~6cm程度開いています。
大泉門の触診は臥位ではなく、立位か座位で行います。泣いたり興奮したりする際には拍動を触知しますが、持続的な強い拍動や周囲の皮膚よりも緊張して膨隆している場合は頭蓋内圧上昇を示している可能性があり、反対に陥没が目立つ場合は脱水症の可能性がありますので受診を検討してください。
閉鎖のタイミングは個人差が大きく、通常は生後10か月から24か月の間に閉じます。閉鎖する数か月前から皮下の線維組織が成長しますが、触診で骨の閉鎖と繊維組織を区別するのは困難です。出生時から現在までの体格測定値(身長、体重、頭囲)の推移を母子健康手帳やアプリの発育曲線にプロットすることは重要で、身長や体重、頭囲のバランスに急激な変化がないかを確認しましょう。