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妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 妊娠8週。頭痛もちですが、カロナールだと効果がありません (2024.11)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

妊娠8週です。1か月ほど前、かぜ気味で、耳鼻科で処方されたカルボシステインとトランサミン、市販の解熱鎮痛薬を1週間ほど服用しました。その後も頭痛が続き、たびたび市販の解熱鎮痛薬を服用していました。生理が来なくて妊娠検査をしたところ陽性で、すぐに産院へ行くと妊娠していることがわかりました。医師に、これまで服用した薬のことを話すと「それらの薬はやめるように」と言われ、カロナールを処方されました。ですが、カロナールでは効果がありません・・・。以前から頭痛がひどくなるとめまいや嘔吐があり、数日寝込むこともあります。今後、頭痛がした際にどうしたらよいか教えてください。また、耳鼻科の薬や市販の解熱鎮痛薬を服用したことで、何か胎児に影響がないかも気になっています。

回答者: 安達知子先生

 妊娠中の薬剤の投与は、一般的に初期には胎児の催奇形性、流産などへの影響、中・後期には胎児の心血管系、血液凝固系(出血傾向)や、生まれる直前投与では新生児の出生直後の状態への影響などから、注意が必要です。
 妊娠中に頭痛をはじめ、痛みに対して鎮痛薬を用いることはときどきあります。妊娠中全般を通して、まずは安全といわれるのはアセトアミノフェンという鎮痛薬で、商品名カロナールなどがこれに当たります。なお、催奇形性のある薬は特殊な薬できわめて限られており、通常の市販薬を服用して奇形が出ることはまずはありません。耳鼻科処方の薬も市販の解熱鎮痛薬も、流産徴候もないことから現在妊娠に問題ないと思われます。ただ、トラネキサム酸(商品名トランサミン)は大量に継続し続けると、ただでさえ静脈血栓塞栓症をきたしやすい妊婦に血栓形成傾向が生じます。妊娠中は基礎疾患に対する薬以外は、必要時に短期間服用すること勧められます。薬局で購入できる市販薬にはいろいろな種類の薬が配合されていることもあるため、医療機関で処方された薬を服用されてください。
 カロナールの投与量ですが、1錠(200mgあるいは300mg)程度では効果のない方もいます。ご本人の体重などを参考に、医療機関で至適投与量を決めてもらって、服用してください。
 なお、アセトアミノフェンでどうしても頭痛が改善しない場合は、漢方薬が勧められます。五苓散あるいは呉茱萸湯(ごしゅゆとう)などがあります。産科医療機関に相談してください。