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ケガと事故防止

Q. 生後2か月。赤ちゃんを抱いたまま後ろに転倒し、乳幼児揺さぶられ症候群が心配 (2024.11)

  • (妊娠週数・月齢)2か月

生後2か月の赤ちゃんのことで相談です。里帰りした際に、母から胸の上でうつぶせ寝をさせて寝かしつけをする方法を教わりました。自宅に戻ってからも、その方法で何度か寝かしつけました。ある日、背もたれを倒した座椅子ソファで寝かしつけようとゆっくり体を倒したのですが、思っていたよりも背もたれが低くて、背中から勢いよく倒れてしまいました。その時に、抱いていた赤ちゃんの首が前後に一度だけ大きく激しくガクンと揺れてしまいました。赤ちゃんはすやすや眠っていて、その後も気になる様子はありませんが、乳幼児揺さぶられ症候群になっていないか不安です。病院で診てもらったほうがよいでしょうか。

回答者: 田中秀朋先生

 後ろ向きに勢いよく倒れた時は、さぞ驚かれたことでしょう。ご自身の身体は大丈夫でしょうか。ご相談の内容のように、大人が赤ちゃんを抱いて転んだときには、子どもをかばうように倒れるため、赤ちゃんが大きな外傷を負うことはほとんどありません。
 乳幼児揺さぶられ症候群は、怒りや焦りのような衝動的な感情をもって、子どもの身体を激しく前後に揺さぶったときに起こる症状です。乳児の脳は頭蓋骨の中で前後に移動することが知られており、激しく揺さぶることで血管が破綻し、頭蓋内出血、眼底出血などを来し、けいれんや失明などの後遺症を残したり、命を落としたりすることもあります。交通事故や悪意をもって激しく子どもの頭を床や壁に強く打ち付けた場合などにも、頭蓋内出血を起こすことがあります。
 ぐったりとして元気がない、激しい嘔吐を繰り返す、けいれんする、視線が合わないなどの症状が出ます。このような症状が出たときには、必ず小児科医に診てもらってください。