赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室今月のQ&A

母乳とミルク・授乳

Q. 生後1か月。低月齢で大きい子のミルクの足し方を教えてください。 (2025.4)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

4,226gで男の子を出産し、先日の1か月健診では体重5,475gでした。母乳はそんなに出ていませんが、3時間ごとのミルクの前に泣くときは母乳をあげています。ミルクは120mL/回飲ませています。
ミルクを飲んでから1時間半〜2時間ほどで泣いて起きたり、次のミルクまで30分あるのにギャン泣きすることが増えてきました。低月齢で大きい子のミルクを足すタイミングや量を教えてください。

回答者: 市川香織先生

 出生時体重が大きいお子様の授乳についてのお悩みですね。生まれたときが4,000gを超えていて、1か月健診でも順調に大きくなっていらっしゃいますね。いまは、3時間おきにミルクを120mLあげているとのこと。3時間たたずに泣くときは母乳もあげているものの、次の授乳まで3時間もたずに泣き出すことが増えて、授乳のタイミングに困っているのですね。

 1回の授乳で120mLを3時間ごとであれば問題はないのですが、1時間半や2時間ごとに同じ量を飲んでしまうと消化に負担がかかってしまいます。1回の授乳量はこれ以上増やさずに、まずはゆっくりと時間をかけて飲んでもらうように工夫してみましょう。

 まず哺乳びんの乳首ですが、母乳を飲むときの感覚に近い種類を選び、あごをしっかり動かして飲まないと乳汁が出にくいタイプがよいと思います。やわらかい乳首や傾けるとぽたぽたと滴り落ちる乳首だと一気に飲めてしまい、満腹を感じる前に授乳が終わってしまいます。乳首を替えても飲むスピードが速いようなら、授乳途中で一旦乳首を外してげっぷをさせ、休憩を入れながら飲んでもらいましょう。おなかが落ち着き、一気飲みを予防することができます。
 1時間半や2時間で泣き出してしまったときは、母乳を吸わせていらっしゃるのですよね。母乳を飲んで落ち着けばミルクは足さず様子をみます。母乳だけでは泣いてしまう場合、追加のミルクは少なめに40~60mLほどにしておきましょう。授乳間隔が短くなっているようなら、まずは母乳を先に飲んでもらうことも大切です。吸ってもらう回数が増えれば母乳分泌量も増えてきますので、ミルクでの授乳の間で泣いてしまった場合や早めに泣き出した場合、母乳で落ち着かせることができます。

 また、普段のお子様の様子はいかがでしょうか。飲んでいる割に便秘気味で毎日は便が出なかったり、ときどきたくさん吐き戻したりといったことはないでしょうか。また、うなるような声を出して泣いたり、抱っこしてものけぞってしまったりしていないでしょうか。これらは飲みすぎのときに出てくるサインです。体重の多い大きなお子様は飲む力もあって一気に飲めてしまうので、たくさん飲んでも大丈夫なように感じてしまいますが、消化機能は未熟です。母乳の場合であっても、飲みすぎてしまうと同じように苦しがってうなったり、泣いたりするのですが、ミルクの場合は母乳よりも消化に時間がかかりますので、より注意が必要です。泣かれるとミルクが足りないのではないかと思いがちですが、逆に飲みすぎで泣いている場合もあります。

 母乳の分泌量や母乳とミルクのバランス、お子様に飲ませている量が適切かどうか判断するのは、なかなか難しいですよね。自治体で行っている産後ケア事業などを利用して、助産師に相談してみることをお勧めします。日帰り型や訪問型の産後ケアで、授乳の様子を見てもらうと安心です。ぜひ活用してみてください。