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妊娠中の気がかり(タバコ・アルコール・薬・レントゲンなど)

Q. 妊娠5週。副鼻腔炎と診断されたのですが、抗生剤は服用してもいいですか? (2025.5)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠2か月 (4〜7週)

妊娠5週6日目です。病院で副鼻腔炎と診断されて、抗生剤を処方されました。その中にセフジトレンピボキシル錠が入っているのですが、インターネットで調べると妊婦の安全確約がされていないと書いてあり、とても不安です。薬を服用しないで、鼻うがいと喉うがいをして様子を見てもよいでしょうか。インターネットで調べると、妊娠中に副鼻腔炎になってがまんしたという話や、「受診しても薬が処方されなかった」などの書き込みがあり、服薬しないほうがよいのではないかと悩んでいます。

回答者: 安達知子先生

 結論から申し上げますと、この抗生剤(抗菌薬)はきちんと服用して、早期に治癒してください。妊娠中に感染症に罹患することはしばしばありますが、妊娠期はホルモン環境や身体の状況、免疫の状況も変化し、妊娠していない方たちと比較して、重症化することがあります。
 副鼻腔炎は副鼻腔という、頭蓋骨に囲まれた腔内に感染を起こす疾患です。ここには、膿などが溜まりやすく、鼻うがいや喉うがいだけでは、腔内に溜まった膿の排出は不良であるために長引きやすく、場合によっては髄膜炎などに発展し、母体にとっても危ないのですが、さらに、ここから菌が全身に回りますと、子宮・胎盤循環のほうに菌が到達して、子宮内感染や流産を起こす可能性もあります。セフジトレンピボキシルは妊婦さんには安全性の高いセフェム系の抗菌薬で、胎児への奇形の誘導もありません。ですので、妊娠の週数にかかわらず、まずはこの薬を服用して、無理のないような生活をされてください。
 経口薬だけでは効果が不十分な場合は、点滴治療や抗菌薬の変更、膿が大量に溜まった場合には、副鼻腔を穿刺して排膿を試みる治療に移行します。確実に治療して、完治してください。