発育・発達
Q. 生後7か月。ずりばいやハイハイをしないで、つかまり立ちをしました。 (2025.6)
- (妊娠週数・月齢)7か月
生後7か月の男の子を育てています。生後4か月で寝返りをして、生後6か月半でおすわりができるようになりましたが、ずりばいやハイハイはしません。しかし最近、つかまり立ちを始めました。ずりばいやハイハイをしないで、つかまり立ちやつたい歩き、ひとり歩きへと進むと、転んだときに両手をつけなかったり、脱臼したりしやすいと聞いたので、なるべくつかまり立ちをさせないようにしています。でも息子はつかまり立ちが楽しいようで、すぐに足を踏ん張って立とうとします。自分からつかまり立ちをするなら、見守ってもいいのでしょうか。ずりばいやハイハイを促すほうがよい場合は、その方法を教えてください。
回答者: 田中秀朋先生
寝返りとおすわりについては、早い時期にできるようになっていますね。発達が順調なお子様です。生後7か月でつかまり立ちをするのは早いほうだと思います。自分の力でつかまってよじ登るようにして、つかまり立ちをするのであれば問題ないでしょう。
ところで、床の上で自由にさせるとどのように移動しますか。寝返りで移動をしますか? おすわりの形のまま、おしりを引きずるようにして移動しますか? もしも、おすわりしたまま動き回るようであれば、それは“いざり足”です。“いざり足”は英語でシャフリングベビーと言われ、正常発達のバリエーションの1つです。いざり足の子どもは歩行開始が遅いことが多いのですが、1歳6か月から2歳までにはひとり歩きが可能になります。あおむけやうつぶせの状態から、自分の力で体を起こしてつかまり立ちをするようであれば、筋力は十分と言えます。
ただし、転んだときに体の前方に手を出す反射(パラシュート反射)が出ていない場合は、顔にけがをする可能性が高いと思われます。小さいお子様が転ぶのは当たり前なので、そのときに大けがをしないように、家具の角にクッションを貼付したり、床に硬いものや突起があるものを置かないようにしたりして、安全な環境を整えてください。
ずりばいやハイハイを促したいのであれば、移動しないと手が届かない場所にお気に入りのおもちゃを置くなどして「あっちに行きたい」という気持ちをもたせてあげるとよいでしょう。長時間バウンサーや椅子に座らせると、自由に運動する時間を奪うことになります。床で自由に動ける時間を長くしましょう。その際に、寝返りやいざり足で移動するのはその子の個性です。自由に移動できるのであれば、それを喜び、楽しんでください。10か月健診などで運動発達の状態を小児科医に見てもらいましょう。