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妊娠中の気がかり(生活)

Q. 妊娠10週、双子を妊娠中です。どんなことに気をつけたらいいですか。 (2025.11)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠3か月 (8〜11週)

妊娠10週目で、双子を妊娠中です。先日、階段で足を滑らせて尻餅をついて転んでしまいました。たぶん2段くらい滑り落ち、産院に電話をすると、おなかを打ったわけではないし、出血もしていないなら大丈夫と言われました。とはいえ、これからおなかも大きくなってくるので、慎重に過ごさなくてはと思っています。妊娠も出産も初めてだし双子なのですが、どんなことに気をつけて日常生活を送るとよいか教えてください。

回答者: 市川香織先生

 このたびは、双子のご妊娠おめでとうございます。そして、階段での転倒で大変ご心配なことと思います。産院からのお返事のとおり、おなかを強く打ったわけでもなく、出血もないということであれば、現時点では過度に心配しなくても大丈夫でしょう。でも引き続き、ご自身の体調の変化には注意して過ごしてください。

 双子(多胎)の妊娠は、単胎の妊娠と比べておなかが早い時期から重くなるため、転倒などのリスクや身体にかかる負担が大きくなります。今回のようなことがないよう、今後も注意を払っていきましょう。妊娠初期でも、ホルモンの影響でめまいや立ちくらみが起こりやすくなっていますので、いまから気をつけていくことが大切です。まず、階段は手すりを必ず持ち、一段ずつゆっくりと上り下りしましょう。おなかが大きくなり、足元が見えにくくなってきたらとくに注意が必要です。外出先などでは荷物は極力持たないようにするか、両手があくようにリュックサックを利用するのもよいでしょう。靴は滑りにくい、底が平らな履き慣れた靴を選びましょう。スリッパやサンダルも脱げやすいので、家の中でもかかとのあるルームシューズが安全です。

 普段の身体の動かし方としては、立ち上がるとき、向きを変えるとき、ベッドから起き上がるときなど、できるだけゆっくり動くよう意識しましょう。とくに妊娠後期になりおなかが大きくなると、バランスを取りにくくなるため、常に慎重な動作を心がけていきましょう。

 双子の妊娠は、妊娠初期から身体に大きな負担がかかります。疲労を感じる前に、横になって休むという時間も意識的に作りましょう。少しの時間でも横になることで、子宮への血流が良くなり、おなかの張りの予防にもつながります。家事や仕事は無理せず、パートナーやご家族、地域のサポートを積極的に利用しましょう。

 また、十分栄養をとることも必要です。バランスの取れた食事で、鉄分やカルシウム、葉酸、たんぱく質など意識的にとりましょう。つわりで食事が難しい場合でも、食べられる物を工夫してみてくださいね。おなかが大きくなってくると、1回に食べられる量も減ってきます。1回の量は減らして頻回に食べる、消化の良いものを食べるなど工夫されるとよいでしょう。

 単胎妊娠と比べて、切迫早産のリスクも高くなります。頻繁におなか(子宮)がかたくなる、休んでも張りがおさまらない、痛みを伴う張りがあるという場合は、すぐに産院に連絡してください。また張りがなくても、出血や生ぬるい水が流れるような感じ(破水)があれば、すぐに連絡しましょう。

 双子を授かったことは、喜びも大きい反面、不安も大きいことと思います。産院では医師や助産師に。地域では、保健センターなどで助産師や保健師に相談してくださいね。とくに、地域では多胎サークルなどがあり、双子を育てている方々との交流をもてることがあります。妊娠中からぜひ情報を得ておきましょう。
 無理せず穏やかに妊娠生活をお過ごしくださいね。