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歯とお口のケア

Q. 生後8か月。生え始めたばかり前歯の一部が黄色です。様子を見ていて大丈夫? (2014.3)

  • (妊娠週数・月齢)8か月

生後8か月の男の子です。歯の色について質問します。昨年末頃から下の歯2本が生え始めましたが、一部黄色です。小児歯科に連れて行きましたが、原因も治療が必要なのかもよくわからないとのことでした。痛がる様子などはありません。このままにしておいても大丈夫でしょうか? それとも、時期や様子によっては改めて歯科を受診したほうがいいのでしょうか。

回答者: 井上美津子先生

 歯の形成不全が疑われますが、しばらく様子を見てもよいでしょう。

 乳歯と永久歯の歯の色を比べると、乳歯はやや青みがかった白色、永久歯はやや黄色みがかった白色をしています。また、肌の色に個人差があるように歯の色にも個人差が見られます。ただし、歯の一部が黄色いということですので、これは歯の部分的な形成不全などが考えられます。

 乳歯は、妊娠7週頃から歯の芽(歯胚といいます)が作られ始めて、妊娠4か月頃からは、その歯の芽にカルシウムやリンが吸着して硬くなる(石灰化といいます)作業が始まります。出生時には、乳歯の前歯の生えてくる部分(歯冠)がほぼできあがっています。乳前歯の形成不全歯は、妊娠期に歯が作られる過程で何らかの問題が生じたものと考えられますが、その原因はなかなか特定できません(永久歯では、乳歯の外傷や乳歯のむし歯が重症化して根の先に病気ができることなどで、その下で成長している永久歯の形成不全が起こりやすくなります)。

 歯の黄色い部分が滑沢(なめらかでつやつや)ならいいのですが、表面がざらざらしている状態ですと、むし歯のリスクが出てきます。授乳や離乳食の時期は大丈夫ですが、1歳を過ぎてお菓子やジュースなど糖分の多い飲食物をとり始めると、そこに汚れが溜まりやすくなって、むし歯のリスクが出てくるわけです。

 それでも下の前歯だけなら、もともと唾液によって自浄されやすい部位ですので、むし歯のリスクは高くありませんが、もしも次に生えてくる上の前歯にも同様の状態(形成不全)が見られるようでしたら、歯科の再受診をお勧めします。上の前歯はややむし歯になりやすい部位なので、口腔ケアや食生活への特別の配慮が必要だからです。

 原因は不明でも、定期的に歯の状態をチェックしてもらい、歯の生え方に応じた歯みがきの方法や適切な卒乳時期、おやつや飲み物のとり方などの指導を受けるといいでしょう。