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ママ・パパの気持ち

Q. 低出生体重児で生まれ入院していた子の子育てに、強い不安を覚えます。 (2014.5)

  • (妊娠週数・月齢)0か月

出生体重2,000gと小さめで生まれたため、2,300gになるまで入院していました。入院中は毎日病院に通い、帰るときは寂しくて心配で離れたくない思いが強く、家で泣いたこともありました。でも、いざ退院となり、これからがんばって子育てしていこうと思ったら、何かわからない恐怖が襲ってきました。これからちゃんとこの子を育てていけるのか、大きく育てられるのかと心配で、少しでもむせたり咳をしたりしただけでビクッとしてしまい、眠っている間に息が止まったりするのではないかとものすごい不安に襲われます。

回答者: 帆足暁子先生

 お子さんが小さく生まれられたこと、2,300gになるまで入院されて毎日通われたこと、帰るときは寂しくて心配で離れたくない思いが強かったこと、そのどれもがあなたを不安にさせることだったと思います。つらかったでしょう。よくがんばりましたね。

 そして、やっとお子さんが退院して、これからがんばって子育てしていこうと思ったのに、何かわからない恐怖が襲ってきて、育てていけるのか大きく育てられるのかと心配で、眠っている間に息が止まったりするのではないかとものすごい不安に襲われてしまう。やっと自分の手で育てられるとうれしかったはずなのに、なぜ、こんなに不安になってしまうのか、わけがわからない思いでいらっしゃることと思います。

 まず、わかっていただきたいのは、あなたのその不安には根拠があるということです。つまり、あなたが不安になるのは当然のことなのです。

 お子さんが生まれ、母親であるあなたが退院しても、お子さんは医療的なケアが必要なためにあなたとは別れ、入院を余儀なくされました。あなたは毎日病院に通っても、お子さんを連れ帰ることはできません。その間は、病院の医師を信頼してお子さんを任せることになります。まるで、自分は母親なのに子どもに対して何も権利をもっていないかのようです。そこですでに、あなたは母親としての無力感を体験しているのです。入院期間が長ければ長いほど、その無力感は意識できないまま大きくなっていきます。

 そして、やっと退院できて、これからは私が子どもをちゃんと育てていこうと思えたときに、意識していなかったあなたの無力感が頭をもたげ始めます。「私にできるかしら」「病院での医療的ケアはいまも必要なのではないかしら」と。これまで、自分の力だけでこの子を育てた経験がないのです。「ものすごく不安」になって当然なのです。

 ですから、いまのあなたに必要なことは、自信をもってお子さんを育てていくこと。

 でもそれは、あなたががんばって自信をつける、ということではありません。あなたはこれまで十分にがんばってこられました。これからは、専門的な知識をもつ人と一緒に子育てをしていきましょう。小さく生まれた子どものよさやウィークポイント、気をつけたほうがよいことなど、今度は「お任せ」ではなく、情報を提供してもらって相談しながら母親のあなたが中心になって決めていきます。あなたをサポートする人は出産した病院の医療ワーカーでもよいですし、保健センターの保健師や看護師、保育士もよいと思います。

 あなたにわかっていただきたいことは、あなたの「ものすごい不安」にはちゃんと理由があるのだということ。そして、その不安はあっても、これからあなたはすてきな母親になっていくだろうということです。なぜなら、こうやって自分の気持ちを表現して相談できるということは、いま着目されている「自分の気持ちの洞察」がなされているからです。どうぞこれから、あなたが信頼できる人と一緒に自信をもって楽しい子育てを実感してください。