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病気・予防接種

Q. 卵アレルギーの1歳の子。MRワクチンの接種時期について悩んでいます。 (2014.10)

  • (妊娠週数・月齢)1歳1か月

1歳1か月になる子どもが卵アレルギーです。風しん、麻しんの予防注射を受けに行ったところ、専門機関を紹介されました。うちの子は数値が3なので、卵の成分が入っている予防接種の場合は、接種後に発作などが起きても対応できる機関を紹介しているとのことでした。風しん、麻しんのワクチンは2歳までに接種するよう定められていますが、もう少し卵アレルギーの数値が下がるのを待ってから接種したほうがいいでしょうか。ただ、数値が下がるまで待っていると他の予防接種が遅れてしまうのではないか、感染のリスクを考えれば早めに接種したほうがいいのではないかとも思え、悩んでいます。

回答者: 横田俊一郎先生

 食物アレルギー、とくに卵アレルギーと予防接種の関係については、保護者の方々からしばしば質問を受けます。結論から言えば、卵アレルギーがあっても麻しん、風しんの予防接種(MRワクチン)を受けることに問題はありません。MRワクチンの製造過程でニワトリ胚培養細胞が使われていて、ワクチンに卵成分が入っているのではと心配されるのですが、実際にはMRワクチンに入っている卵成分(オボアルブミン)は極めて微量であり、それによってアレルギー反応を起こすことはほとんどないと考えられています。

 インフルエンザワクチンは製造過程で発育鶏卵が使用されていて、MRワクチン以上に卵アレルギーの人への接種に対して注意が必要とされていますが、それでも大部分の卵アレルギーの人へ安全に接種できると最近では考えられています。

 また、アレルギーの数値が「3」というのは、アレルゲン検査であるRASTの値が6段階の中で3だということだと思います。これは決して強いアレルギーではありません。また、RASTの値だけでなく、実際に食べたときにどのような反応が起こったかということがとても大切です。アナフィラキシーを起こしたことがあるのであれば、ある程度慎重に考えたほうがいいでしょうが、ちょっと発疹が出て検査したら反応が出ていた、という程度ならあまり心配することはありません。

 ただし、重いアレルギー体質のお子さんでは、ワクチンに含まれている卵以外の何らかの成分に対してもアレルギー反応を起こす可能性が一般より高いと考えられますので、ワクチンの接種後は少し注意深く観察しておくのがよいでしょう。アナフィラキシーのような重篤なアレルギー反応は接種後30分以内、遅くとも1時間以内には起こりますので、そのことを頭において観察してください。

 予防接種は病気を防ぐことが第一の目的です。接種していない期間は病気にかかる可能性のある期間ですので、接種できる時期が来たらできるだけ早く接種することが原則です。起こる可能性の低い副反応を心配して接種時期を遅らせることは、決して得策とは考えられません。