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性格・親のかかわり・育て方

Q. 2歳の娘はからだに障害があります。今後、つらいときにどう寄り添えばいいですか。 (2015.2)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳1か月の娘です。二分脊椎症による身体障害児(下肢不自由・膀胱機能障害) です。装具をつけて独歩はでき、言葉は年齢相応で私の話すことも大体理解しているようです。心配事は、物心がついてほかの子と自分のからだが違うとわかるようになったときのことです。自分のからだについて悩んだり、からかわれたり、いじめられるようなことが起きたとき、私はどう寄り添ってあげればいいでしょうか。そのために読んでおいたほうがいい本や、勉強しておくと良い心理学などについて教えてください。親としての心構えについてもアドバイスをいただけたらと思います。

回答者: 帆足暁子先生

 とても大切に娘さんを育てられていますね。そして、これから起こるであろう、娘さんを悲しませるような体験を心配し、守ろうとするあなたの深い愛情が伝わってきます。

 いちばんのポイントは、娘さんがあなたの話すことを大体理解されているようだということです。なぜなら、あなたの言葉がお子さんを支えることができるからです。

 娘さんが「自分のからだについて悩んだり、からかわれたり、いじめられるようなことが起きたとき」に「どう寄り添ってあげれば」よいかということですね。

 こころに寄り添うときに、「読んでおいたほうがいい本」や「勉強しておくと良い心理学」よりももっと大切なことがあります。それは、娘さんの「いま、ここにある気持ち」にあなたが気持ちを向けることです。「いま……つらい」「かなしい」「くやしい」等々のお子さんから出てくる気持ちや、言葉にならない気持ちを推察し、ぴったりした言葉で伝え直す、ということ。自分の気持ちをわかってくれる人の存在ほど心強いことはありません。もし、気持ちにぴったりした言葉にならなかったと思ったときには、言葉を変えて話していくうちにぴったりした言葉をみつけることができるようになります。

 そして、親ごさんとしての心構えです。
 もし、娘さんが傷つくようなことが起きたとき、親であるあなたはたぶん、守ろうとする気持ちが強くなると思います。「からかわれて悲しい」などと言われると、すぐにそういう事態が起きないように誰かに話をするなどして娘さんを守るための環境調整をしようとすると思います。でも、そのときに娘さんの思いを確認してください。まずは、娘さんがどうしてほしいのかということ。次に、そのためにはどういう選択肢があるのか、そのときに起きると予想されるメリット・デメリットを一緒に考えます。

 大切なことは、娘さんの思いを超えないようにすることです。何が起きても、娘さんの気持ちを尊重するようにします。その結果、娘さんは安心して決断することができます。それが娘さんにとっては自分を実感できるチャンスでもあるからです。

 それから、母親であるあなたが日々の生活を前向きに捉えることができていれば、娘さんが傷つけられることがあっても「前向きに捉える」という思考過程をもつことができます。そうすれば、どのようなことが起きても、娘さんも前向きに対応することができるようになります。

 娘さんは現在2歳ですが、どんどん成長していきます。その年齢に合わせた対応が求められます。娘さんが安全感をもって生活できることに配慮しながら、必要に応じてきちんとした知識や、相手の気持ちについて説明するなど、母親であるあなたが判断して伝えることも増えていきます。また、娘さんが思春期を迎え、母親には相談しにくいことが起きるかもしれません。

 あなたがご自分の判断に迷うことが生じたり、どうしてよいかわからなくなったりしたときのためにも、専門の協会や主治医、もしくは医療ケースワーカー等を活用することも考えておかれるとよいでしょう。

 そして、あなたも娘さんも、信頼できる人を探してください。人は、絶対に裏切らない味方が1人以上いると実感できるとき、幸福感をもてるし、自分のもっている能力を最大限に発揮できる、といわれています。幸せになる一歩です。