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病気・予防接種

Q. 過去3回の肺炎球菌ワクチンで副反応が出ました。追加接種をどう考えればいいですか。 (2015.7)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

現在2歳11か月の女の子です。肺炎球菌ワクチンについて質問します。生後6か月で1回目の接種をした翌日に腫れ、2回目も翌日に腫れて38.2℃の熱が出ました。3回目のときは接種量を0.5から0.4に減らしたのですが、翌日にやはり37.8℃の熱が出ました。その際、3回目でも副反応が出たので1歳代に打つべき追加接種はできないと言われました。体質に合わないとも言われました。このことを他の小児科クリニックで話したところ、腫れたり熱が出るのは普通のことでそれで打つのをやめたり接種量を減らしたりすることは通常はないと言われました。もうすぐ3歳になりますが、追加接種をいまからでもしたほうがいいでしょうか? それとも、最初の病院で言われたように追加接種はしないほうがいいのでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 肺炎球菌ワクチンは「アジュバント」を含んだワクチンなので、接種後に熱が出たり、接種部位が腫れたり、しこりができたりするのはよくある副反応です()。したがって、全身状態に大きな問題が生じるような発熱ではなく、腫れも肘を超えるほどの大きな腫れでなければ、接種を中止する必要はありません。

 一方、初回接種で獲得した免疫を長期間持続させるためには追加接種が必要です。肺炎球菌ワクチンの初回接種後に獲得した抗体は、そのままでは次第に下がってしまいますが、追加接種をすると抗体が再上昇し、その後長期間高い価を保つことがわかっています。生後2か月から肺炎球菌ワクチンを3回接種した子どもの抗体の推移を見た研究では、生後15か月になると初回3回目の接種直後に得られた抗体の約1/4に減少することがわかっていて、感染を受けないために「3回目から60日以上の間隔をあけて生後12〜15か月に4回目」を接種することが勧められているのです。

 重症な肺炎球菌感染症は1歳代がもっとも多いのですが、10歳くらいまでは健康な子どもにも発症することがありますので、ご相談のお子さんは追加接種をいまからでも受けたほうがよいといえます。期間が開きすぎても、抗体を再上昇させ持続させる効果には変わりありません。

 よくある副反応であれば通常通り接種すればよいのですが、腫れが非常に大きかった場合などは、担当の先生と相談してみるのがよいと思います。以前の三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチン)では接種部の腫れが非常に大きい場合には、本来0.5mlである接種量を0.2〜0.3mlへ減量して接種することがありました。ただし、最近の肺炎球菌ワクチンでは強い腫れを経験することはほとんどありません。また、このワクチンは海外では筋肉内に接種されているワクチンなので、皮膚の表面から深い部位に接種すると腫れは少なくなると言われています。

編集部注
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