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病気・予防接種

Q. 血液検査で卵のアレルギー反応が出ました。離乳食の注意点などを教えてください。 (2015.10)

  • (妊娠週数・月齢)1歳2か月

1歳2か月です。生後6か月で血液検査をしたところ、卵の特異的IgE抗体が陽性でした。先生からは、「1歳になってから、卵が入った離乳食を2〜3か月食べさせてみて、大丈夫なら卵のみ与えてみてください」と言われましたが、具体的にどのように進めればいいのか、わかりません。体調の良い日に試そうと思っていますが、保育園に通うようになってから、かぜをひいたり熱を出したりを繰り返し、まだ試せていません。卵アレルギーの心配のある子の、離乳食の進め方や今後の注意点について教えてください。いまはまだ、卵の入ったボーロやベビーフードなども食べさせたことがありません。

回答者: 横田俊一郎先生

 卵は子どもの食物アレルギーの原因としてもっとも多いものですが、大部分の子どもは成長とともに食べられるようになります。また、卵といっても卵白、卵黄、耐熱性卵たんぱく(熱を通した後もアレルギーを起こす性質を失わない卵の成分)などの成分があり、どの成分に対してアレルギーがあるかを知っておくことも大切です。

 まず、生後6か月で血液検査をした理由を思い出してください。血液検査で卵に対する特異的IgE抗体があっても、必ず症状が出るというわけではありません。何も症状がないのに、たまたま検査したら陽性だったというのであれば、食べても何も起こらない可能性もあります。逆に、明らかなアレルギー症状があったのであれば、少し慎重に対応したほうがよいかもしれません。

 また、アレルギー反応の強さも大切です。アレルギーの強さは血液検査ではクラス0から6に分類されていて、クラス3までは強いアレルギー症状が出ることはあまりありません。クラス4以上であれば慎重に試したほうが良いことが多く、ときには緊急事態に備えながら小児科外来で食べさせてみることも必要となります。

 小児科の外来で卵を食べさせて反応を見る検査をする場合、アレルギーの強さにもよりますが、卵ボーロ、固ゆでの卵、薄焼き卵などが使われています。家で試してみるのであれば、まずは体調の良い日で、何か症状が出たらすぐに受診できるようなときを選んでください。食べさせるものは卵を含んだ加工品、たとえば卵を使ったパン、クッキー、卵ボーロなどを少しだけ与えてみるのが良いでしょう。それで大丈夫であれば、さらに量を増やしていきます。

 「家で食べさせてみてください」と医師が言うのであれば、おそらく強いアレルギーではないのだろうと想像されます。アレルギー症状でもっとも多いものは皮膚症状です。食べた後30分以内くらいに全身にじんましんが出ることが多いです。さらに強い症状としては、おなかを痛がる、ゼイゼイして咳き込む、などがあります。このようなときには急いで病院を受診する必要があります。数時間経ってから少し発疹が出た、口のまわりだけ赤くなった、などの症状はあまり心配することはありません。

 最近では、アレルギーの原因となる食物を少量ずつ食べていたほうが早くアレルギーが治るという意見が多く、あまり厳密な制限をしないほうが良いという考え方が主流になっています。かかりつけの医師とよく相談してチャレンジしてください。