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妊娠中の気がかり(体重・食事・病気・体調など)

Q. 妊娠7か月、妊娠糖尿病の一歩手前といわれました。食事をどうすればいいのかわかりません。 (2016.5)

  • (妊娠週数・月齢)妊娠7か月 (24〜27週)

現在妊娠7か月、35歳です。50gのブドウ糖服用で1時間後に測るという血糖値の検査をしたところ、血糖値は142mg、妊娠糖尿病の一歩手前と言われました。2週間後に75gブドウ糖服用で1時間後2時間後の採血検査を受ける予定です。父方は糖尿病の人が多い家系です。食事内容を見直し、宅配弁当を頼むことにしました。一食240kcal、塩分2.0g、糖質30gなのですが、私にはカロリーが少なすぎますよね? これにごはんを入れても足りないと思うのですが、何をプラスしたらよいですか? おやつは、どれも糖質が入っていますので、何を食べたらよいのかよくわかりません。

回答者: 太田百合子先生

 妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけとした糖代謝異常なので、多くの場合は一時的なものであり、出産後、正常に戻ります。

 食事療法は、血糖コントロールが基本です。1日のエネルギー量は、年齢、性別、身長、体重、運動量、妊娠の時期により算出されるので、病院でめやすを聞いてください。食事量は、母親と胎児がともに健全に妊娠を維持できること、食後の高血糖を起こさないこと、空腹時のケトン体産生を亢進させないことが必要です。極端に食べ過ぎても空腹になり過ぎてもいけないということです。血糖値に影響を及ぼす栄養素は、主に糖質です。食物繊維は、血糖上昇を抑える働きがあるので、糖質の少ない野菜などは、毎食食べましょう。

 食べ方は、食べ過ぎると高血糖になるので毎食ごとに量は守る、血糖値が上がりすぎないようにゆっくり食べる、よく噛んで食べる、野菜を先に食べるなどを心がけてください。「分割食」といい、1日の食事量を間食(おやつ)にも分割することで高血糖を防ぐこともできます。宅配弁当のエネルギー量は、おかずのみで240 kcalなら、ご飯240 kcal(150g)を組み合わせると合計480 kcalになります。不足が考えられるなら良質のたんぱく質や汁物、野菜などが中心の副菜を加えます。常備菜として、野菜(キャベツ、ブロッコリー、にんじん、オクラ、青菜など)をまとめてゆでておくと楽に増やせます。

 1日1食のみを宅配弁当にするなら、それ以外の食事の主菜(たんぱく質)は、違う料理にするとバランスが良くなります。弁当が肉料理なら他の食事では卵、魚、大豆製品とします。おやつは、果物や乳製品にすると無理がありません。1日にりんご75gとみかん100gが食べられます。これにホットミルク180mlを添えると十分おなかは満たされると思います。果物缶、干し果物、嗜好飲料、アイスクリーム、ジャム、菓子パン、菓子類は血糖値が高くなりやすいので好ましくありません。

 食生活を見直すことは、今後の子育てにも活かされます。今回のことをきっかけとして、良い食習慣を身につけましょう。