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食事と栄養・離乳食

Q. 魚の血合い、後期になっても離乳食には使わない方がよい? (2017.3)

  • (妊娠週数・月齢)9か月

助産師をしています。離乳食相談で来られたお母さんから、インターネット上に「魚の血合い部分には水銀が含まれているから避けるべき」という情報があったと聞かされました。今まで、魚の血合いについては、中期までは取り除いても、後期からは、鉄分補給の意味あいで離乳食に取り入れることをすすめてきました。今後、どのように対応すればよろしいでしょうか?

回答者: 太田百合子先生

 魚介類は、良質なたんぱく質や多価不飽和脂肪酸、ミネラルなどが豊富であり、胎児や幼児には、脳や神経組織の発達にも重要であるとされています。生後9か月以降になると鉄欠乏性貧血になりやすいことからも、魚介類の摂取は望ましいといえます。

 厚生労働省が実施している調査によれば、平均的な日本人の水銀摂取量は、健康への影響が懸念されるようなレベルではないとしています。現時点で得られている知見によれば、乳児が母乳から摂取するメチル水銀量は低く、小児になれば大人同様にメチル水銀の排泄機能があるといわれています。しかし、胎児にとってはハイリスクであり、その影響を最小限にするために、妊婦に対しては注意事項がまとめられています。

 メチル水銀の濃度が高い魚介類は、マグロ類(マグロ、カジキなど)、サメ類、深海魚類、鯨類(鯨、イルカ)などにほぼ限られます。サンマ、イワシ、サバなどはメチル水銀濃度が低く、ツナ缶は比較的メチル水銀濃度の低い種類のキハダマグロが使われています。妊娠中の場合は、メチル水銀の摂取量を減らしながらも極端に偏食しないことが望ましいでしょう。離乳食では魚介類を摂取し、さまざまな食品を適度に食べるようにおすすめします。

 「魚介類に含まれる水銀について」は、厚生労働省のホームページに詳しい資料があるので参考にしてください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/