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病気・予防接種

Q. 5歳の男児です。水いぼが増えていますが受診すべきでしょうか? (2017.5)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

幼稚園年長になる5歳の息子です。冬になってから体に水いぼができ始め、少しずつ拡がって、陰部や顔にも拡がっています。以前、上の娘が水いぼになった際は、皮膚科でも小児科でも自然治癒を待つようにと言われ、半年ほどで治癒した経験があります。なので、息子も様子をみていましたが、娘の時と違って増えていきます。病院を受診し、処置をお願いすべきでしょうか。

回答者: 横田俊一郎先生

 水いぼは、ポックスウイルスによっておこる皮膚の感染症です。いぼをよく見ると中心にくぼみがあり、周囲を圧迫するとこのくぼみから白い芯のようなものが出てきます。この中にはたくさんのウイルスが含まれていて、ここから感染が拡がります。したがって、肘や膝の裏側、わきなどの擦れる所、手でかきむしる所に増えてくる傾向があり、特に湿疹などがあって皮膚が荒れている所に多発します。

 水いぼの原因はウイルスで、このウイルスに効く特効薬はありません。塗り薬では改善しないので、鉗子を使って摘み取る治療、硝酸銀や液体窒素を使って取り除く治療法があります。皮膚科では数が少ないうちに取り除くのがよいと考える先生が多いです。しかし、どれも手間がかかり痛みも強く、数が多いと全部を取り除くことができないために繰り返し処置を続けなくてはならないという難点があります。子どもは嫌がるので治療が続かない、再燃をくり返すということが少なくありません。また、摘み取った跡が残ることもあるので、顔にできた水いぼは一般的には摘み取りません。

 内服薬として、昔からいぼ取りに効果があるとされるハトムギを主成分とした漢方薬「ヨクイニン」が使われることもよくあります。すべてに効くわけではありませんが、健康保険でも認められています。

 1年以上かかることも珍しくはありませんが、水いぼは自然経過でほぼすべてが治癒します。そこで、自然治癒を待って治療しないという方針の医師も多いのです。周囲への感染の問題もありますが、直接皮膚を触れあったり、皮膚に触れるもの(タオルや水泳の浮輪)を共用したりしなければ感染する危険は大きくありません。いつもプールのことが話題になりますが、日本小児皮膚科学会でも見解を出しているように、プールの水ではうつりません。(http://jspd.umin.jp/qa/01_mizuibo.html

 アトピー性皮膚炎や湿疹がひどくかゆみが強いと、水いぼはどんどん拡がっていきます。湿疹を改善し、かゆみをおさえることはとても大切なので、摘み取るかどうかは別として、一度は病院を受診しておくのがよいと思います。