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性格・親のかかわり・育て方

Q. 5歳の息子。実母から早熟すぎると言われました。 (2018.2)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

5歳になったばかりの息子がいます。急に女子トイレや女性風呂に入るのを恥ずかしがるようになりました。旅行のとき、主人が寝ていたため女性風呂に誘ったところ、「誰もいなかったらいいよ。誰かいたら恥ずかしい」と真顔で言っていました。これも成長のひとつと思っていたのですが、実母に話したところ「5歳でそれはおかしい。最近の子は早熟すぎる。情報過多で男女に対して過敏すぎるせいだ」と批判的に言われました。でも私はまだそういうのを教えたりしたことはありません。成長のひとつという考えの私や、息子の言葉は変でしょうか。

回答者: 高橋惠子先生

 子どもが自分の性別に気づき始めるのは2〜3歳ごろだといわれています。子どもの周囲に、性に注目させるような言葉かけや習慣がたくさんあるからです。

 たとえば、世間の大人は子どもを見たら「坊ちゃんですか?」などと性別をたずねるでしょう。そして、「女の子だからお行儀よくして」「男の子だから泣かないの」などと性別を使ってしつけたりします。また、男の子にはミニカーを、女の子には人形を、などと、性にふさわしいとされているプレゼントを用意したりもするでしょう。さらに、幼稚園や保育所では、性別についての経験をたくさんしているはずです。「女の子が先よ」「男の子いらっしゃい」などと、性別が便利なラベルとして使われます。遊具の使い方やままごと遊びのなかでも、男女の区別がされていることでしょう。

 幼児はこのような環境で暮らしていますので、特に教えなくても、自分は「男の子」か「女の子」かを知り、「スカートをはくのは女の子」「男の子だからズボンをはく」などというようになります。したがって、5歳児なら当然自分の性別を知っていて、女子トイレや女性風呂を恥ずかしがることが起きても驚くことはありません。このような発話がみられたからといって、子どもが早熟であるとか、過敏すぎるとか考える必要はありません。子どもの順調な成長のあらわれです。ほほえましい成長だと受けいれましょう。

 性別はこのように目立つ特徴ですので、早期に獲得されます。このときに気をつけるべきことは、性別には「差別」が伴いがちだということです。男の子がいつも先、男の子は外で元気に遊ぶ、男の子は強くて泣かない、などと決めつけないことです。男女は便利なラベルですが、女の子にも男の子にもいろいろな子どもがいること、性別を超えて個性があることを認めることが大切です。子どもが性別に気づき始めたら、性別による差別をしないようにと心がけていただきたいと思います。