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性格・親のかかわり・育て方

Q. 2歳10か月の娘がママ友になつくのは私の愛情不足でしょうか? (2018.5)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳10か月と1歳2か月の娘を育てています。親しくしている親子と遊ぶとき、上の娘はその親子にべったりです。友だちとのトラブルがあったときや怪我をしたときくらいしか私のところへ寄って来ません。遊んでいる最中もほとんど「ママぁ」と呼ばれません。また、娘が遊んでるときに私が話しかけると、笑顔から真顔になるか、無視されることが多いです。私のかかわり方がいけないのでしょうか。私は「いけないことをした場合にはしっかりと話し、必要があれば叱る」といった育児を心がけています。そのママ友は、子どもに泣かれてしまうとつらいタイプのようで、叱っているところは見たことがありません。娘が彼女になつくのは、私の愛情不足なのかと心配になります。

回答者: 帆足暁子先生

 いいえ、娘さんとあなたはとてもよい関係が築けています。

 子どもは、困ったりつらくなったときに自分を愛して守ってくれると確信のある人の所に行きます。娘さんはトラブルがあったときや怪我をしたときにあなたを求めるのですから、あなたとの愛着関係はきちんとできています。愛情不足なのかと心配しなくて大丈夫です。

 では、なぜ、ママ友になつくのでしょうか。いくつか可能性を考えることができます。

 一つは、子どもはお客さんが好き、ということ。新奇(目新しくて珍しい)なものに惹かれる特徴があります。母親のことはよくわかっているのでわくわく感がありません。ですから、お客さんが大好きです。でも、それはあなたとは違う次元で捉えています。そう、母親との安心感を基盤とした上で、わくわくさせてくれる存在としてママ友を認知しているのです。

 次に考えられるのは、あなたも感じていらっしゃるように、ママ友は「子どもに泣かれてしまうとつらいタイプのようで、叱っているところは見たことが」ないからです。子どもに泣かれるとつらいタイプは、子どもを叱らないだけではなく、子どもの言うことを聞いてしまいがちです。特に2歳代の子どもは自分の思いを通そうとする時期です。その思いがよいか悪いかは関係なく、自分の思いを通すことを切望します。あなたの『いけないことをした場合にはしっかりと話し、必要があれば叱る』といった育児は、よいしつけ方だと思います。でも叱られることは、どんなことでも子どもは好きではありません。ですから、娘さんはママ友のことを、直感的に叱られずに自分の思いを通せる存在と認知しているのです。

 それから、娘さんのイメージの中で、ママ友とのごっこ遊びをしているとも考えられます。2歳代は想像力も豊かになってきます。「ママ友親子と上の娘さん」とのごっこ遊びの世界を、娘さんのイメージ通りにストーリー展開をして楽しんでいるとすると、そこに現実の母親が入ってくることで娘さんの世界が壊れてしまうので、あなたをスルーしているのかもしれません。

 そして、もう一つ。
 どれだけの愛情をもって上の子どもを育てても、下に子どもが生まれると、母親を奪うライバルと見てしまいがちです。上の子どもからしたら、今まで100%の愛情を受けてきたのですから、自分よりあとに生まれた存在が、たとえ自分もそうしてもらってきたと言われても、自分よりも小さくて母親が世話をしないと育たないと言われても、下の子どもを受け入れたくないし、寂しい気持ちを抱えてしまいます。

 もしかすると、上の娘さんにもそういう気持ちが少しはあるのかもしれません。そうすると、その寂しさをあなたのママ友に埋めてもらおうとすることもないとは言えません。でも、それは「愛情不足」だからではありません。きょうだいがいることから起こる必然性です。

 あなたは娘さんの行動やママ友の気持ち、そしてご自分の気持ちをきちんと分析をする力があります。あなたがよいセンスを持っていることはあなたの文章から読み取れます。そこで得られた娘さんやあなたご自身の気持ちを大切にしながら、どうしたらお互いに楽しくなれるかを考えてください。自分を信頼して、そして娘さんを信頼して子育てをしてください。あなたなら大丈夫。
 もちろん、心配なことがあったらどんどん子育て支援システムを活用しましょう。
あなたもお子さんも、楽しみながら子育てをすることが一番大切ですから。