ママ・パパの気持ち
Q. １歳の娘の母。娘に楽しいと思ってもらえる接し方を教えてください。 (2019.5)
- （妊娠週数・月齢）1歳0か月
母親なのに子どもとの接し方がわからなくて悩んでいます。現在1歳の娘は、７～８か月になったころから、言葉かけに反応するようになってきました。主人は自然に遊んだり話しかけたりできるのですが、私は遊び方が下手で、子どもと2人きりのときあまり話しかけられていません。「ママと一緒にいるときも楽しい」と思ってほしくて、遊び方とか接し方などを考えるのですが、おもちゃでどうやって遊んであげたらいいのか、何を話しかけていいのかがわからず、「こんなママでごめんね」と申し訳なく思います。主人からは、「パパの接し方を真似するのではなく、ママらしい接し方でいい」と言われたのですが、私らしい接し方とは？と考え、悩む一方になってしまいました。
回答者: 帆足暁子先生
あなたは、すてきな母親です。「ママと一緒にいるときも楽しい」と思ってもらいたくて、いろいろと考えられているのですね。あなたご自身は、母親と一緒にいるときも楽しい、と思って育ってこられましたか？
子どもと遊んだり話しかけたりということは、母親なら誰でもできるわけではありません。自分が小さいころに、自分の母親や他の大人達との間で、遊んだり話しかけられたりという経験をしてくると、それが自然に身についています。でも、そうではなかった場合には、身についていないことが自然なのです。ですから、あなたに身についていないからと言って、あなたがお子さんに申し訳なく思う必要はありません。
今は、母性愛は本能ではないことがわかっています。子どもと関わる経験を通して母性愛も育ちます。ということは、子どもと関わりあう経験を通して、関わり方を学んでいって良いのです。
遊び方は、得意なパパにお任せでも良いのですよ。パパはたくさん遊んでもらってきたのかもしれません。パパにとってはそれは身についている自然なことなのでしょう。
あなたはステキな方と結婚されましたね。「パパの接し方を真似するのではなく、ママらしい接し方でいい」とても正しいアドバイスです。そう、でも、「私らしいって？」と、かえって考えてしまいますね。あなたの「私らしい」というのは、あなたが無理をしないということ。
子どもとの遊び方や接し方、おもちゃでどう遊ぶか、については、ネットで検索すると出てくるかもしれません。
でも、子どもが一番求めているのは、マニュアル通りの正しい方法、ではなくて、自分を産んでくれた「ママ」が自分と一緒にいて、楽しいと思ってくれることなのです。あなたはお子さんといて楽しいですか？ 子どもは小さければ小さいほど五感からくる直感が優れています。きっとあなたが困っていること、そして自分に関わろうと努力してくれていることも、わかっています。
子ども、と思わずにあなたが思っていることを口に出して話してあげてください。今日あった楽しいこと、今日やろうとしていること、パパのこと。お子さんが生まれたときのあなたの思い。今日何を食べようかということなど、何でもＯＫです。言葉のキャッチボールにはならないけれど、お友だちに話すように、あるいは、大きくなったときのお子さんを想像しながら、ひとりごとみたいに話しかけてください。あなたが話しかけてくれるとき、じっとあなたをみつめてあなたの話す内容を理解しようとすると思います。あなたから自分に向けられる微笑み、言葉、雰囲気、どんなものも、お子さんにとっては大切なことなのです。あなたが産んでくれたのですから。
お子さんを抱っこしながらでも良いし、寝ているかたわらでも良いです。添い寝もありますね。あなたにとっても楽しいと思えることを大切にしてください。
残念ながら、パパがどんなにお子さんへの接し方や遊び方が上手でも、子どもが一番大好きなのは、母親です。あなたはあなたであることだけで素晴らしい。
それでも、自信がなかったら具体的な遊び方や、話しかけモデルは保健センターや子ども家庭支援センター等のスタッフに聞いてみましょう。そのためにいる専門職ですから。
いろいろな思いをして出産されたと思います。
お子さんと一緒に子育てを楽しむ自由があなたにはあります。
どうぞ、自分を信じて、楽しんでください。