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母乳とミルク・授乳

Q. 生後1か月。乳頭混乱を起こしているようで、母乳での授乳が軌道に乗りません。 (2019.7)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

生後1か月の子が乳頭混乱を起こしているようで、母乳での授乳がうまくいきません。母乳メインでの授乳を希望していたのですが、混合の状態で退院しました。母乳が出ているはずなのに反り返って泣き出し、かと思いきや、少し時間を空けると飲んでくれたりもします。母乳外来では、日中は頻回授乳で足りなければミルクを80mL、夜間は添い乳またはミルク120mLを与えることをアドバイスされましたが、いつまでたってもミルクを減らせず、母乳中心の授乳にできません。母乳だけで授乳が終えられたときは、1時間おきに母乳を与えたり、水分摂取量も増やしたりしていますが、なかなか母乳量も増えません。おっぱいを拒まれたときでも、搾乳したほうがよいのでしょうか?ミルクが悪いとは思っていませんが、できるだけ母乳で育てたいので、アドバイスをお願いします。

回答者: 市川香織先生

 生後1か月、できるだけ母乳育児をしていくにはどうしたらよいかお悩みなのですね。

 現在は母乳とミルクの混合という状態のようですが、母乳だけで満足しているときもあるということですので、母乳の分泌がよくなってきているのだと思います。がんばっていらっしゃいますね。

 母乳の分泌をよくするには、まずはお母様自身のからだの回復が第一です。睡眠不足が続いて疲労が抜けなかったり、育児に追われて自分の食事もままならなかったりすると、どんなにがんばって吸わせても、なかなか分泌量が増えてくれないということになります。夜間短時間でもぐっと眠れて疲れが取れるという良質な睡眠が取れればよいのですが、疲れているなと感じるときには、昼間も室内の環境を整えて横になって休むようにしましょう。お昼寝も体の回復には大切です。また、お食事では、温かいスープや具だくさんの汁物などをとり、消化を助け、水分も十分に取りましょう。水分は、ご自身でも気をつけて増やしてくださっているので、とてもよいと思います。

 また、全身の循環をよくするために、赤ちゃんを見ていてくれる人がいるときは、ゆっくりと半身浴をするなど、お風呂に入って湯船につかることができればよいですね。その際、肩甲骨全体を緩めてあげると、乳房への血流も増えるので効果的です。

 そのうえで、赤ちゃんにたっぷりしっかり吸ってもらいましょう。足りないときに足しているというミルクの量、昼間80mL、夜間120mLというのは1回の量でしょうか。もしこの量を母乳の後に足しているとすると、1回量が多く、次回までにおなかがすかず、その場合にはおなかが苦しくて泣いたりするかもしれません。赤ちゃんは哺乳びんだとどんどん飲めてしまうので、満腹だと感じる前に、あればあっただけ飲めてしまうものです。

 また、吸い始めに一気に出てくる乳汁を飲み込んで苦しくなって反り返ったり、空気を一緒に飲み込んで苦しくなったりもします。一度排気させて、ゆっくりくわえなおしてもらったりすると、落ち着いて吸ってくれるでしょう。くわえ方が浅いと時間をかけて吸っても十分飲みとれないので、乳輪まで深くくわえてもらうよう、お互いの授乳姿勢を工夫してみましょう。搾乳は、どうしても吸ってくれず、乳汁がたまって張ってしまったときだけでよいと思います。

 そして、赤ちゃんの体重増加に問題がなければ、いま足してるミルクの1回量をできれば半分に減らし、1日量として補足する量を減らしていくように調整しましょう。ただし、いまの情報だけでは正しくアドバイスしきれないので、お母様と赤ちゃん、お二人の状態を適切に把握して量や回数を変更していくには、やはり母乳外来か母乳育児相談にのってくれる開業助産師にみてもらうのがよいでしょう。できればお母様の乳房や全身の状態をゆっくりみてもらえて、必要に応じてマッサージなどもしてもらえるところがお勧めです。がんばりすぎると全身カチコチになっているものです。誰かに緩めてもらうと分泌がぐっと増えることでしょう。そして、ミルクの量を減らして赤ちゃんの成長とのバランスを何度かチェックしてもらいましょう。

 今、メンテナンスすることで、これからの母乳育児をお互い気持ちよく、楽しんでできるとよいですね。