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性格・親のかかわり・育て方

Q. 物にあたる2歳3か月の息子。対処の仕方に悩みます。 (2019.9)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳3か月になった息子は、おしゃべりが上手なせいか、激しいイヤイヤで困ることはあまりありません。ところが、最近、叱ったり注意したりすると物に当たるように。たとえば、扇風機に手を伸ばしたので、「危ないから触らないでね」と冷静に伝えたところ、怒ったような顔でおもちゃを箱から出して投げていました。「投げたらおもちゃが痛いよ、かわいそう。〇〇ちゃん悲しかったんだね。でも〇〇ちゃんがお怪我したら嫌だから、扇風機を触るのはやめようね。」と抱っこして言い聞かせましたが、わーんと大泣きになってしまいました。悲しい気持ちや不安な気持ちをうまく表現できないために、物を投げて表現しているのかなと思います。心が成長し言葉がもっと上手になれば、物を投げることはなくなるでしょうか。いつも結局大泣きさせてしまい、もっと上手な対応方法があるのでは?と悩んでしまいます。

回答者: 高橋惠子先生

 「叱られる→親の嫌がることをする→親が注目し、抱っこしてくれる」というチェーンができあがってしまいましたね。このように、わざと悪いことや親が嫌がることをして、親の関心を引くことをネガティブ・アテンション・シーキングといいます。しかも、いつもこれが成功し抱っこまでしてもらえるのですから、子どもにとっては嬉しいことなので、これを頻繁にすることになります。このネガティブ・アテンション・シーキングは幼い子どもの多くが、親の関心を引くためにやることです。このチェーンを断ち切ることが必要です。

 まず、なぜ子どもがネガティブ・アテンション・シーキングをするのかを理解しましょう。親の注意を引きつけようとしているのです。したがって、わざわざそのようなことをしなくても、お母さんはあなたが好きで、大事に思っている、それを伝えることが大切です。

 そこで、第一に、子どもが何か悪いことをしたときに、親は大騒ぎをしないことです。冷静に、悪いことはダメで、どうしてダメかを、伝えるだけにします。子どもが泣いても負けないことです。このときには、抱っこしたり、優しい言葉をかけたりしないようにします。それが難しければ、子どもの近くにいないようにすればよいでしょう。

 その代わり、子どもが一人で何かができたり、用事をしてくれたりしたときには、子どもにしっかり注目して、「よくできたね」「〇〇ができるのはすごいね」と行動を具体的に褒めましょう。ただし、「よい子ね」は、禁句です。何を褒めてもらっているのかわからないからです。つまり、ネガティヴな行動ではなく、ポジティヴな行動をしたときに具体的にどこがすばらしいかを伝えて励まします。そのようなことができる子が、お母さんはとても好きだと伝えます。こうしているうちに、子どもはわざわざ悪いことをしなくてもよいのだとわかってきます。

 そして、2歳を過ぎたら、子どもの世界を広げることを心がけましょう。親と子だけの閉じた世界にとどまるのではなく、他の子どもが遊んでいるのを見たり、近い年齢の子どもと遊んだりする機会を積極的に作りましょう。公園に行ったり、児童館、公民館、図書館などのプログラムに親子で参加するのもよいでしょう。広報やホームページで調べてみましょう。それにつれて、お母さんの世界も広がることでしょう。子どもの世界が広がると、母親の関心を引くことなどには興味が薄れるはずです。