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病気・予防接種

Q. 声がれで受診したら小児結節との診断。普段に気をつけるべきことは何でしょうか? (2020.1)

  • (妊娠週数・月齢)5歳

 もうすぐ5歳の息子ですが、声がれが長く続き、喉に何か引っ掛かってるような違和感があるのか、常に「んんっ」「えへん」としているのが気になっていました。かぜ症状も改善しなかったので耳鼻科を受診したところ、ファイバースコープで診てくださり、鼻の奥に膿があったのと声帯にイボみたいなのがあり、副鼻腔炎と小児結節と診断されました。副鼻腔炎は以前にもかかったことがありますが、小児結節は初めてです。いろいろ調べたのですが大声や高い声を出さない以外に、何か対応策はないでしょうか?治るのにも時間がかかると聞きましたが、喉の違和感が続くのはかわいそうなだと思います。何かしてあげられることはありませんでしょうか?

回答者: 横田俊一郎先生

 小児結節とは子どもにできる「声帯結節」のことです。声帯結節は、のどの奥で声を作っている声帯に結節という出っ張りができる病気です。特にスポーツなどで大きな声を出す小学生くらいの年齢の男子に多く、「学童嗄声」(小学生くらいで声のかれる状態)の一番の原因とされています。声を出すときに力が入り過ぎて、声帯に胼胝(たこ)のようなものができてしまうと考えてください。そのために声門がきちんと閉じることができず、息がもれてしまうので声がかれてしまいます。

 かぜのときにも声がかれることがありますが、これはのどの炎症が声帯の付近まで及んで、声帯結節と似たような症状になるためです。かぜのときには一時的な症状ですが、声帯結節は長く続くのが特徴で、かぜを引いたときや副鼻腔炎になったときにさらに悪化します。

 治療は声の安静、つまり大きな声を出さないことが第一とされています。しかし、小さな子どもでは難しいことも多いです。また、声の出し方が悪いことが原因のこともあるので、発声訓練を行うこともあります。症状が強いときには、声帯の炎症を抑えるためにネブライザー(経口吸入器)で薬を吸入して治療することも行われています。また、前述したように副鼻腔炎があると悪化するので、副鼻腔炎の治療を行うことも大切です。副鼻腔炎は診断が難しいこともあり、見逃されていることも少なくありません。耳鼻科での治療が必要です。

 長く続くときでも、男子の声変わりの時期には声帯の形が大きく変わって、結節もなくなることが多いとされていて、一般的には手術による治療は行われていません。しかし、国語の音読ができない、声がうまく出せなくて意思の疎通ができない、歌がまったく歌えない、というようなときには、例外的に顕微鏡を覗きながら特殊な器具を使って結節を取り除く手術をすることがあります。

 症状の経過を見ながら、耳鼻科の先生とよく相談することをお勧めします。