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アレルギー

Q. 5か月の子。おかゆをあたえると赤いブツブツが出ます。 (2020.4)

  • (妊娠週数・月齢)5か月

5か月になったので、離乳食をおかゆからスタートしました。小さじ1程度を与えているのですが、食べ出してしばらくすると、口や目の周りに赤いブツブツができます。ブツブツは、次の日になると治まっているのですが、おかゆでもアレルギー症状が出たりするのでしょうか。ブツブツが出ても体調はかわらず、下痢や嘔吐などはありませんが、このままおかゆを与え続けてよいものかどうか、教えていただきたいです。

回答者: 横田俊一郎先生

 「離乳食を始めたら口の周りや顔に発疹が出たのでアレルギーではないか」という心配はとても多く、小児科医を悩ます質問でもあります。

 食物アレルギーの多くは即時型アレルギーで、食物を摂取した直後、遅くても2時間以内に症状が出ます。多いのは皮膚や粘膜の症状で、多くはじんましんや紅斑(皮膚の一部が赤くなる)という形です。かゆみがあるのが一般的で、多くは全身に発疹が出ます。ひどいアレルギー反応では下痢や嘔吐が起こったり、のどや気管支の粘膜がむくんでゼイゼイしたりすることもありますが、多いものではありません。

 口の周りの発疹は、食べ物が皮膚についたために出ることも少なくありません。俗に言う「かぶれ」で、接触性皮膚炎と呼ばれます。手で顔をこすったりすると、目の周りも赤くなることは珍しくありません。

 おかゆは米が材料ですから、米のアレルギーが心配ということになりますが、日本の乳幼児で米のアレルギーは多くありません。鶏卵、牛乳、小麦が3大アレルゲンとされていて、米によるアレルギーはかなり珍しいものと考えてよいでしょう。

 また、最近のアレルギーに対する考え方としては「心配な食品はなるべく早い時期にごく少量ずつ与えた方がアレルギーになりにくい」、また、アレルギーがある場合でも「症状が出ない程度の少ない量を与え続けた方がアレルギーは早く治る」という考え方が主流になっていることも知っておいてください。

 以上のことを頭において、ご相談のお子さんのことを考えてみたいと思います。まず、相談していただいた発疹はじんましんなどではなさそうで、アレルギーによるものかどうかは、これだけの内容からはわかりません。それでは血液検査をしてみればと考える方もいると思いますが、血液検査は万全ではありません。アレルギーがあるのに検査では陰性になることもありますし、逆に検査で陽性でも、実際にはまったくアレルギーが起こらないこともあります。要するに、食べてみて症状が出るか否かをみることが最も大切なことなのです。

 嘔吐が起こったり呼吸が苦しくなったりするようなアレルギー症状が予想されるときには、家で食べさせるのは危険なので、病院で食べさせてみることが必要です。これを食物負荷試験と呼んでいます。ご相談のお子さんは症状も軽度で、アレルギーかどうかも判りませんので、もう一度少なめの量を家で与えてみるのがよいと思います。何かあればすぐに病院へ行けるような、平日の午前中に与えてみるのがお薦めです。

 また、単なるかぶれの可能性もありますので、おかゆが口の周りにつかないように気をつけて与える、あるいは保湿剤などを口の周りに塗ってから食べさせるなどの対策を講じてみるのがよいでしょう。

 もし、このようにして与えてみても、2回3回と同じことが起こるようであれば、小児科を受診して相談してください。いずれにしても、アレルギーが心配だからと長い間与えないままでいることは、子どもにとって得策ではないことを知っておいてほしいと思います。