病気・予防接種
Q. 4か月の子。緊急事態宣言のため健診がなくなりました。小児科で診てもらうべきでしょうか？ (2020.5)
- （妊娠週数・月齢）4か月
緊急事態宣言の影響で、子どもの4か月健診がなくなりました。新型コロナウイルスに感染するのは怖いですが、もし病気が潜んでいたらと思うとそれも怖いです。健診がいつになるかわかりませんが、様子をみているだけで大丈夫でしょうか。それとも、個人的に小児科に行って診てもらった方がいいでしょうか。
回答者: 横田俊一郎先生
今回の新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行は、子どもたちの生活にもさまざまな影響を及ぼしています。重大な新しい感染症ではありますが、幸い子どもへの感染はあまり重症にはならないようです。日本小児科学会が子どものCOVID-19について「Q＆Ａ」を出しているので参考にしてください。
（http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326）
結論から言えば、なるべく４か月児健診を４か月という時期に受けていただきたい、ということになります。４か月児相当の発達をしているか、見逃してはいけない病気（例えば股関節脱臼など）がないかなどのチェックがこの時期に必要だからです。
ただ、緊急事態宣言が出されてほぼ１か月経ち、COVID-19の発生数も減少の兆しがあるようなので、まもなく集団健診が再開されるのではないかと考えています。子どものことで心配なことがなく、１～２か月の遅れで集団健診が再開されるのであれば、それまで待って受診してもよいでしょう。
４か月健診が個別健診で行われている地域もあり、そこでは健診は中止になっていないはずですから、時期が来たら必ず健診を受けてください。今、小児科クリニックは受診者がかなり少なくなっていて、どこでも健診の受診者と感染症の受診者をきちんと分けて診察をしているはずです。COVID-19を恐れすぎず、クリニックに連絡してから受診するようにしてください。地域によっては、この時期だけ集団健診を個別健診に変更して実施している所もあるようです。
集団で健診を行っている地域でも、ご両親に心配なことがあれば、かかりつけの小児科ですぐに健診を受けることをお勧めします。ただ、集団健診では小児科医以外の栄養士や心理士、保健師の診察や助言もありますので、集団健診が再開された時点で、もう一度集団健診を受診しておくのがよいでしょう。
また、健診と同様に予防接種での受診を控えている保護者が増えていて、多くの小児科医が心配しています。麻しんや百日せきは、子どもにとってはCOVID-19よりもずっと重症になる病気なので、時期を遅らせず、予定通りに接種するよう心がけてほしいと思います。全国の小児科クリニックでは、感染対策をじゅうぶんに行って子どもたちを待っています。