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Q. 2歳の息子が裸に興味。どう対応すればよいのか困っています。 (2021.3)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳11か月の息子が、最近、水着や裸のイラストに過剰に反応します。絵本に人魚姫や水着を着た女の子が出てくると「はだかんぼだね」「早く服を着なさい!」などと茶化し、その絵本ばかりを見たがります。コンビニで成人雑誌が目に入った際も、「はだかんぼだ、もっと見る!」と主張したりします。子どもが「うんち」や「おちんちん」といった言葉を面白がるのと同じかもしれませんが、親としては不安です。もうすぐ幼稚園に行き始めるので、友だちに悪い影響を与えないか、1歳下の妹にちょっかいを出さないかといったことも心配です。「人魚姫はお魚だから服を着ていなんじゃない?」「これは裸じゃなくて水着を着てるよ」など、その都度フォローをしていますが、早いうちから性教育をした方がよいのではないかと悩んでいます。どう対応すべきなのか、アドバイスをお願いします。

回答者: 高橋惠子先生

 2歳児が人の裸に興味を持つのはきわめて自然なことです。困ったことだと考えたり、むやみに禁止したりしないようにしましょう。特別だ、変だと心配せずに、子どもが身体に興味を持つのはあたり前だ、と考えましょう。身体はとても大切なものであること、大事にしなければならないことを伝えればよいと考えておくとよいでしょう。

 幼児は母親、父親、きょうだいなどと入浴したりもするのですから、身体はきわめて身近な関心の対象になります。したがって、幼児が絵本やイラストの裸に注目したり、自分と親との身体の違いに気づいたりするのも、きわめて自然なことです。好奇心が強い幼児が、コンビニの成人雑誌を見たがったりすることも、報告されています。せっかく街からこの種の雑誌の自動販売機を有害であるとして撤去したというのに、コンビニで幼児にも見えるような置き方がされているのは残念なことです。このような時期の幼児は、しばらくの間、コンビニにつれていかないことを考えてみてはいかがでしょう。
 幼児が、絵本、アニメ、イラストなどの裸に関心を持っても、それはきわめて健康なことですから、親は騒ぎ立てないようにしましょう。「人魚姫ね」「そうね、裸なのね」などと、子どもの発話を繰り返すだけで十分です。親が子どもの関心をさえぎったりすると、子どもは特別なことだと受け取るでしょう。2歳では、裸や性への関心が始まったのではなどと、深刻に受け取る必要はありません。

 2歳児の生活としては、楽しく熱中できるものを親子で探すことをお勧めします。たとえば、子どもが好きな絵本を探して、親子で読むのはどうでしょう。子どもはお気に入りの本が見つかると繰り返し読んでと言います。親と子が共同作業をする絶好の機会になります。
 2歳児のお気に入りの絵本を探すために、図書館を利用してはいかがでしょう。素晴らしい本がたくさん出版されています。また、外に出て、一緒に走ったり、子どもたちが遊んでいるのを見物したり、あるいは、遊びの仲間に入るように励ましてみるのもよいでしょう。楽しいことが増えれば、子どもの関心はどんどん広がります。いつまでも裸に関心が留まるようなことはありません。子どもの環境が豊かで、活気があるか、親としても楽しく、充実している日々か、点検してみることも大切です。

 なお、4、5歳くらいになると、子どもの身体への関心は、性器や男女の性器の違い、おしっこのしかたの違い、さらには、赤ちゃんはどこから生まれるの、などと興味が広がることが多いと報告されています。このようになったら、親が「性教育」を始めるのがよいという専門家もいます。子どものための性教育の絵本も、親のための図書も出版されていますので、図書館を訪れたときに司書さんに聞いてみるとよいでしょう。