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母乳とミルク・授乳

Q. 4か月の息子。母乳を哺乳びんからしか飲みません。 (2021.4)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

4か月になる息子が、おっぱいから母乳を飲まなくなりました。おっぱいからの授乳を嫌がった直後でも、搾乳した母乳を哺乳びんで与えると飲むため、母乳の味を嫌がっているわけではないようです。原因として考えられるのは、おなかが空いてないときにもおっぱいからの授乳をしつこく試みたこと、最近おしゃぶりを使い始めたことくらいです。どうやったら、おっぱいから飲んでくれるようになるでしょうか。

回答者: 市川香織先生

 4か月になるお子様が、急におっぱいからの授乳を嫌がるようになってしまい、困っていらっしゃるのですね。搾乳した母乳を哺乳びんからは飲んでいるということですので、母乳そのものを拒否しているわけではなさそうですね。
 それまで上手くいっていた母乳育児でも、月齢3~4か月になると、急に母乳拒否をするようになり、大泣きしてお母様を困らせるということがしばしばあります。拒否する理由はお子様によって違いますが、はっきりこれと限定できないこともよくあります。

 おっぱいから母乳を飲むというのは、栄養だけではなく、お母様とお子様とのスキンシップでもあります。ですから、本来であれば、お子様にとっても安心・快適な時間です。しかし、原因として挙げておられるように、「おなかが空いてないときにもおっぱいからの授乳をしつこく試みた」とすると、もしかすると、お子様にとっては安心・快適である時間がストレスになってしまった可能性もあります。お母様にとっては、おっぱいから飲んでほしいという思いや、お子様が飲まないままで大丈夫かという心配が大きかったためと思います。しかし、無理をすると、お子様にとっては逆に嫌な思いが先行してしまうかもしれません。また、おっぱいを飲んでほしいという思いから、お子様の頭を押さえたり、不自然な態勢に体を固定したりすると、嫌がって拒否することはよくあります。授乳時は母子ともにリラックスした姿勢が大切ですので、頭は押さえずに飲めるような態勢に見直すとよいかもしれません。授乳クッションなどを使用していたら、もうきつくなるころですので、使用をやめてみましょう。抱き方自体も変えてみるとよいかもしれません。

 また、おっぱいを嫌がる原因によくあるのは、乳頭混乱です。これは月齢が浅い場合に起こりやすいのですが、哺乳びんの乳首とおっぱいでは、乳汁の出方、乳首の感触、吸う力などが違うため、哺乳びんでは飲むのにおっぱいは嫌がるということが起こります。哺乳びんの乳首やおしゃぶりは乳頭混乱の原因になると言われていますので、使用は最小限にすることも必要かもしれませんね。

 お母様の体調や心理的な変化によっておっぱいを拒否するケースもときどきあります。お母様がかぜをひいたり、月経が再開したりといった体に何か変化があった場合、また、心理的に焦っていたりする場合も、お子様は敏感に感じ取るものです。体調の変化などは、それを過ぎればまた再開できますので安心してくださいね。

 もちろんおっぱいを嫌がるのは一時的な現象で、しばらくしたらまた母乳を飲んでくれるようになったという話もよくあります。お子様の機嫌や体調などを見ながら、お互いにリラックスできるような触れ合いの機会を増やしつつ、自然におっぱいを飲んでくれるのを待ってもよいかと思います。