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病気・予防接種

Q. 水いぼができた7か月の子。ベビーパウダーを塗るように言われました。 (2021.5)

  • (妊娠週数・月齢)7か月

生後7か月の子どもの背中に、水いぼが複数できてしまいました。かかりつけの病院を受診したところ、保湿剤を塗らずに ベビーパウダーを塗るように言われました。これで治るのでしょうか。塗り薬などは処方されませんでした。ベビーパウダーは、毛穴をふさいでよくないと聞いたことがあるので心配です。

回答者: 横田俊一郎先生

 水いぼはポックスウイルスによる皮膚の感染症で、家族から、あるいは集団生活で感染することが多い病気です。小さく球状に盛り上がった発疹として始まり、よく見ると中央におへそのような小さなくぼみがあります。痛くもかゆくもありませんが、ウイルスは皮膚が傷んでいるところに感染しやすいので、湿疹やあせもで皮膚が荒れているところにできることが多いです。

 水いぼの発疹の中には白い芯のようなものがあり、この中に原因となるウイルスがたくさん詰まっています。そのため発疹がこすれたり、指でかいたりすると、ウイルスが周囲の皮膚に広がっていきます。水いぼそのものがかゆいのではなく、かゆいところに水いぼが広がるのです。

 残念なことに水いぼのウイルスには特効薬がありません。塗り薬も抗ウイルス作用があるものはなく、発疹をかき壊さないために保湿剤やかゆみ止めの軟膏が使われます。もちろんベビーパウダーにも効果はありません。飲み薬も特効薬はありません。かかないようにかゆみ止めの薬を使うことがあるのと、水いぼの治癒を早めると言われているハトムギ(漢方薬「ヨクイニン」)を使うこともありますが、効果は子どもによってさまざまです。

 水いぼの多くは、長くても2年以内には治癒します。しかし、広がって集団生活で注意されることもあるので、数が少ないうちに除去することも多いです。水いぼ鉗子というピンセットのようなもので芯ごと取り除くのですが、痛みがかなりあるので、除去する前に痛み止めのテープを使うことが多くなっています。また、硝酸銀や液体窒素を使って除去する方法もあります。治療方法はいろいろあるのですが、一般的に小児科医は除去しない医師が多く、皮膚科医は積極的に除去する医師が多いと思います。

 ご質問のベビーパウダーですが、水いぼの治療として使われることはありません。あせもの部位に水いぼができているので、あせものためにベビーパウダーを使うという意味かと思います。あせもは汗が皮膚に溜まってできるものなので、汗をかかないようにすることが一番大切です。ベビーパウダーをたくさん使うと確かに毛穴をふさいでしまうので、使い過ぎないことは大事です。一方で、ベビーパウダーは「コーンスターチ」と「タルク」という成分から作られていて、水分を吸収し皮膚をサラサラにする効果がありますので、上手に使えばあせもにも効果はあります。使うときには毛穴をふさがないように、薄く塗ることがポイントだと思います。