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ママ・パパの気持ち

Q. 泣いて寝てくれない息子。育児がつらくて前向きになれません。 (2021.11)

  • (妊娠週数・月齢)6か月

6か月の息子は、寝起きや寝つく前に必ず泣き、泣き声が大きく頭に響き頭痛がします。昼間は一緒に遊んだりして活動時間を考慮し、眠くなりそうなころには抱っこをしたり、あやしたりしますが、必ず泣きます。先日、19時半ころ、指しゃぶりをして眠たそうだったので布団に寝かしたら激しく泣き出し、暑かったので冷房を効かせたり、おむつを取り替え、授乳をしたりしても泣きやまず、抱っこしてもダメで、気晴らしに入浴させるなど思いつくことをやりましたがまったく泣きやまず、気づいたら夜中2時半を越えていました。以前から息子の泣き方にイライラして私も泣いていましたが、この日は特にひどく、もう死んでしまいたいと思い、気づいたら遺書を書いていました。産んだことを後悔し、その日を境に少しの泣き声でも体調が悪くなり、食べても吐き、めまいもして生きた心地がしません。夫は育児に協力的で助かっていますが、さすがにあの日は疲れていたのか、泣いている息子に怒鳴っていました。誰にも相談できず、「私は母親になることに向いていない、育てるなんて無理だったんだ」と後悔しています。将来が不安で「明日になったらまた泣く…」と考えるだけで、明日が来るのも怖く、毎日がつらくてとても前向きになれません。何をしても寝てくれない息子と、どう接していけばよいのでしょう。

回答者: 帆足暁子先生

 これまでよくがんばってきましたね。何をしても泣いて寝てくれない子どもほど、母親の気持ちを疲れさせてしまう子どもはいないかもしれません。

 どう接していけばよいかを一緒に考えましょう。

 まず、あなたはどうなってほしいですか。
 あなたのつらさを解消することが一番の希望という理解でよろしいでしょうか。

 あなたのつらさを解消する方法には、2つの考え方があります。
 1つは、つらさの原因が解消され、「お子さんが泣かずに寝てくれるようになる」ことを考える方法です。どうしたら、そうなれるでしょうか。あなたは、いろいろ工夫されたり、試されたりしています。お子さんが快適になれるようにがんばってかかわられています。どの方法も適切です。でも泣き止みません。とするならば、お子さんが求めているのは快適になることではないかもしれません。もしくは、違う快適さを求めている、ということかもしれません。お子さんは「眠り」に関するときだけ、あなたがつらくなるくらい、泣いてしまうのでしょうか。もし、そうだとすると、お子さんにとっては「眠り」が不安や怖さとつながっていて、それを避けるために何としてでも、眠らないようにしているのかもしれません。生後6か月という時期は、睡眠・覚醒リズムが移行していきますが、スムースに移行できないと不快感を持つことがあります。これは成長していくにつれて、安定していきますから、時間を待つしかありません。あるいは、お子さんがあなたの「また泣く」と思う不安やつらさを感じ取り、あなたの気持ちに同調してお子さんの泣きにつながっていることがあるかもしれません。

 さて、この考え方でできることは、お子さんの成長を待つ、か、お子さんの「眠り」に安心感を与えることです。つまり、泣いても「大丈夫、あなたが泣くような不安はないのよ。でも泣きたかったら泣いていていいわよ」とあなたがドーンと構えて、お子さんの泣きがつらくなったら、「ちょっとつらくなったから、少し離れますね」とニコッと笑って、トイレにこもるのもあり、リビングでリラックスできるティ―タイムをするのもありです。少なくとも、あなたからの不安が伝わらずに済みます。そして、あなたの気持ちが切り替わったら、泣いているお子さんのところに戻って「ありがとう。少し楽になったから、まだ泣いていても大丈夫よ」と安定したあなたの声を聴かせてあげるのもよいかもしれません。あるいは、眠りが不安につながっているとすれば、眠そうになったときに「眠らなくてよいわよ。お外に行きましょうね」とあえて外に出ることで、不安を感じずにいられるようになるかもしれません。

 もう1つは、原因とは切り離して「あなたのつらさ」を解消することを考える方法です。「お子さんの泣き声が大きくて頭痛になる」くらいですし、「19時半ころから夜中2時半を越えても泣き止まなく」て、「もう死んでしまいたいと遺書を書いてしまう」くらいのつらさを抱えています。お子さんを「産んだことを後悔し、体調が悪くなり、生きた心地もしない」のです。「誰にも相談できず」、「私は母親になることに向いていない、育てるなんて無理だったんだ」と後悔され、「将来が不安で明日が来るのも怖くて、毎日がつらい」状況です。あなたのつらさは、「①泣いて寝ないお子さんと一緒にいること」「②誰にも相談できないこと」「③お子さんを泣き止ませて寝かせることができない母親である自分に対する自信のなさ」のように思います。であれば、まずは、①日中少しでもお子さんと離れましょう。子ども家庭支援センターや保育園等の一時保育で預かってくれます。そして、これらの機関では、②守秘義務と共に話を聞いてくれてアドバイスもしてくれます。
 ③ですが、あなたは、ちゃんと「昼間は一緒に遊んだりして活動時間を考慮し、眠くなりそうなころには抱っこをしたり、あやしたり」されていますし、「指しゃぶりをして眠たそうだった」ことにも気づかれています。母親としての感性が十分にあります。そのことと、お子さんが泣き止んで寝てくれることは、実は別のことなのです。たぶん、お子さんは「育てにくい」タイプのお子さんのようです。そういう気質をもって生まれてくるお子さんが全体の10%いるといわれています。世話をしていくうえで忍耐が要求される子どもたちなのです。ですから、あなたが自信を無くす必要はありません。
 たとえば、子育て訪問支援事業等では、チケット制で安心できる会社からベビーシッターを家庭に派遣してくれたりします。家庭の中で一緒にお子さんを見てもらうのも自信が持てることにつながるかもしれません。他者を頼って少し楽をすると違った見え方もできてきます。

 あなたは一生懸命子育てをされています。とてもステキなことです。あなたがお子さんの母親でよかったと思います。でも、疲れてしまったら、いくらでも社会に向かって、こうしてSOSを出して下さい。子育てはつい自分を後回しにしてしまいがち。でも、自分も大切にしましょう。