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ママ・パパの気持ち

Q. 男児の母。女児がよかったという思いにとらわれ、つらくなります。 (2021.12)

  • (妊娠週数・月齢)3か月

不妊治療を経て妊娠しましたが産前に離婚、いま3か月の男の子を育てている41歳です。もともと女の子を希望していたこともあり、最近、街で女の子を連れたお母さんを見かけると、うらやましくてつらくなります。もちろん息子も本当にかわいくて愛しく、幸せです。だけどときどき「なんで女の子じゃないんだろう」と思ってしまいます。そのあと「そんなことを思うなんて、最低のひどい母親だ」と自己嫌悪に陥ります。もう2人目を産むのは難しいと思うので、なおさら悲しくなります。誰かに相談しようにも、友人、知人はみんな女児持ちで、何を言われてもひがんでしまいそうで、こんな悩みは話せません。女児が欲しかったという気持ちを忘れて、楽になりたいです。どうしたらよいのでしょうか。

回答者: 帆足暁子先生

 ご自分の中で気持ちが揺れ動かれて、つらいですね。

 「女児が欲しかったという気持ちを忘れて、楽になりたい」ということ。確かにそれが一番正解のようです。でも、忘れられないからつらいのです。

 まず、あなたの中にある「女児が欲しかった」という思いを整理することから始めませんか。なぜなら、あなたの中にその理由がちゃんとあるからです。

 「息子も本当にかわいくて愛しく、幸せ」ということですから、「男児は絶対に嫌!」ということではなかったようです。「不妊治療を経て妊娠」ということと重ね合わせますと、最初は「子どもが欲しい」という思いだけだったのではないでしょうか。

 子どもが持てることが分かってから、「女児がよい」と思われたのでしょうか。いずれにしても、あなたにとって「女児」の母親になるメリットがあったのですね。それは何だったのでしょうか。産前に離婚されていますから、そのことも関係しているかもしれません。

 あなたの理由は、それがどのようなものであれ、あなたにとっては大切な正しい理由です。ですから、あなたの心の中で整理できればそれでよいと思います。

 さて、「忘れて、楽になる」方法はやめましょう。つらくてもあなたにとっての大切な理由ですから。「楽になる」違った方法を試してみませんか。

 それは、「女児が欲しかった」記憶の上書き保存です。これまでのあなたは「女児が欲しかった」大切な記憶と共にあります。でもそれがつらくて楽になりたいと思われています。そのあなたの楽になれるように変わりたい思いと、人間の習性、つまり、未来に向かって成長し続ける習性を活用します。あなたの記憶を踏まえて、「男児もかわいい」という記憶を強化していきます。

 例えば、夜寝る前にお子さんを優しくハグして寝かせてから、
①今日やっぱり「女児」がよかったと思ったことを5つ以下で紙に書いてください。この記録はあなただけのものですから、絶対にネット上の媒体にはアップしません。情報は拡散しますから、自分を守ることが必要です。
②次に、書いたのと同じ数だけ、子どもと過ごした一日でよかったと思うことをその隣に書いて下さい。
③毎日これを1か月続けます。

 この目的は、イメージである女児と現実生活にある男児とでは、次第に具体的な男児の姿が明確になってきて愛着関係が成立し、女児・男児を超えた「子どもが欲しかった私」の実感が強くなるということにあります。その中に「男児もかわいい」という思いが生じれば、あなたの思いも自然と上書きされていくのではないでしょうか。

 大切なことは、あなたがの「女児が欲しかった」という思いも大切にあなたの心の中に残していくことです。あなたの事実ですから。

 ひとりで実践することに不安があれば、守秘義務を持つ子ども家庭支援センターや保健センターのスタッフに、一緒に整理する過程を支えてもらうこともよい方法です。
まずは、チャレンジしてみませんか。