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母乳とミルク・授乳

Q. 1か月半の子、混合栄養だが母乳の割合を増やしたいです。 (2022.4)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

1か月半の子を混合栄養で育てています。母乳育児希望でしたが、産後の疲労や子どもの尿回数が少ないことから、病院でミルク追加の指導を受けました。授乳のたびに40~60mLを追加していましたが、3時間以内に泣き出すようになったため、1か月健診のころには毎回100mL与えるように。大量のミルクを与えることに抵抗を感じて、母乳の割合を増やしたいと思い、いまは、日中のミルクの1回量を減らし、朝~昼は1回60mL、夕方は80mL、夜間100mLで、1日5~7回で合計350~500mLのミルク量を与えています。母乳は、子どもが自分で離すまで与えていますが、長いときは30分ほどかかります。母乳とミルク60mLだと1時間で泣くこともあれば、4時間ほど寝ることも。母乳だけだと30分で泣くこともあれば、2時間ほど寝ていることも。母乳だけのときはリラックスしてそのまま寝つくことが多いのですが、すぐ起きがちです。1か月健診の1週間ほど前からミルクを減らしましたが、健診での体重増加は良好でした。また健診の1週間後に自宅で体重を計ると330g増えていました。今後さらにミルクの割合を減らしてもよいでしょうか。いま母乳がどのくらい出ているか不明なので悩んでいます。減らしてよい場合、どのくらいの期間で、どのくらい減らしてよいのでしょうか? 1回の量を減らすのではなく、ミルクを与える回数を減らす方法でもよいのでしょうか。また、自分の母乳の量は搾乳機を使ってある程度わかるのでしょうか。

回答者: 市川香織先生

 生後1か月半、混合栄養から母乳主体の授乳への移行の仕方で悩んでいらっしゃるのですね。産後の疲労もあったようですが、いまは回復されましたか。出産後ゆっくり休む間もなく育児が始まるので、母乳の分泌も思うようにいきませんよね。

 赤ちゃんは、1か月健診やその後の体重増加の割合を見ても、順調に成長されていますね。この時期の赤ちゃんの体重増加は1日25~30gと言われていますので、1週間で330g増加しているので1日約47gとなり、しっかりと育っていることがわかります。むしろミルクが多い可能性もあります。

 また、お母様の方も、からだの疲れが取れ活気が戻ってくれば、母乳の分泌も増えて安定してきます。赤ちゃんがおっぱいを自分から離すまで与えているというのはとてもよいことで、しっかりと飲み取ってもらうことにつながります。そのことによって、作られる母乳の量が増えるのです。

 赤ちゃんの状態もお母様の乳房の状態も問題がないので、母乳主体の授乳にシフトしていくのによい時期ではないでしょうか。ミルクを減らし母乳の割合を増やすには、「ミルクの量を減らす」、「ミルクの回数を減らす」の2つのアプローチがあります。

 やりやすい方法としては、「ミルクの回数を減らす」のがよいのではないかと思います。母乳だけのときはリラックスして寝つくが、すぐ起きがちということですので、たとえば昼間は母乳だけにして様子を見てはいかがでしょうか。母乳を毎回しっかりと飲んでもらい、欲しがるタイミングで母乳をあげます。短時間で欲しがっても問題ありません。飲み取る量はむらがありますので、時間はあまり気にせず、母乳を飲ませましょう。夕方くらいになるとお母様も疲れてきて母乳の分泌量も少し減りますので、そのくらいからミルクを併用します。ミルクを足す量も、はじめはいままで通り80mLをめどに与えてみます。夜も母乳を飲ませた後にミルクを足して構いませんので、飲みたがる量を与えましょう。ただ、あまり飲みすぎると赤ちゃんは苦しくて泣きます。ですから、ミルクを飲まずに寝てしまうようなら、その方が赤ちゃんにとって快適です。また、夜間には母乳の分泌量が増えますので、夜中の授乳は母乳だけで寝てしまうようなら、きっと十分な量飲めてきていると考えてよいでしょう。

 そして、次のステップとして「ミルクの量を減らす」ようにしていきます。夕方から夜間に足すミルクの1回量を徐々に減らしていきましょう。1回に10~20mLくらいずつ減らすペースがやりやすいです。減らすペースは赤ちゃんの様子を見ながら、毎日段階的にでもよいですし、2~3日ずつでもかまいません。

 また、昼間の授乳を母乳だけにしても、すぐに泣き出してお母様自身も授乳がしんどくなることもあるでしょう。その時には、少しミルクの助けを借りる形で足してかまいません。その時は1回の量を少なめにしておくことを心がければよいでしょう。

 ミルクの回数を減らし、ミルクの量を減らし、と徐々に母乳主体にしていくと、母乳を飲み取る時間も短くなっていきます。はじめは母乳に追われるかもしれませんが、ミルクを足さない分、赤ちゃんはしっかりおなかがすき、成長に伴い飲む力もついてくるので、授乳にかかる時間も短縮されます。日によって、行きつ戻りつとなるかもしれませんが、あまり気にせず、少しずつ進めばよいと考えてやっていきましょう。

 また、母乳の分泌状態も気になるところですね。搾乳器を使ってどのくらい分泌されているのかを見ることもできますが、実は赤ちゃんの飲み取る力は搾乳する以上に上手にたくさんの量を飲み取っていますので、参考程度にしかなりません。赤ちゃんが満足に飲めているかどうかは、満足して寝ているか、手足をよく動かしご機嫌がよいか、尿はいつもどおり出ているかを見て判断しましょう。

 それでも、授乳方法を変えていくのは心配なものです。お住まいの近くに母乳育児相談を行っている助産院があれば、助産師に相談してみるのもよいでしょう。乳房の状態、赤ちゃんの飲み方など総合的に見てくれますよ。また、体重測定をして成長を確認してみたいという場合は、保健センターや子育て支援施設など赤ちゃんの体重計を置いている施設で、ときどき測らせてもらうのもよいでしょう。予防接種で受診した小児科等でも対応してくれると思います。
赤ちゃんの反応や様子をよく見ていらっしゃるお母様なので、きっとうまくいきますよ。