赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバーママ・パパの気持ち

ママ・パパの気持ち

Q. 1か月半の子が泣き止みません。 (2022.7)

  • (妊娠週数・月齢)1か月

2,700gで生まれた生後1か月半の男の子(第一子)の育児中です。周りに小さい子がまったくいなかったため、何もかもが不安です。1か月健診後、体重が2週間で1,600gも増え、増え過ぎが心配で小児科を受診。生後すぐはミルクと母乳の混合だったのですが、健診後ぐらいから完全ミルクでの授乳としたのに、混合のときのように、2時間ごとに授乳していたのが原因だったようです。白湯をあげたり、ミルクを白湯が多めで溶くことを指導されたので最初はそのとおりにしていましたが、2時間もたたずに泣くことが多く、140~160mLを180mLに増やし、間隔をしっかり3~4時間あけるように。それでも、泣き止まないことが多く、抱くと泣き止みますが、布団に降ろすと大泣きします。夫は「抱き癖かも? あまり構わないでいい」と言いますが、何もせずに泣き止むことはありません。ベビーカーに乗せたり抱っこひもで抱いているとほとんど泣かないため、よく外出しますが、帰宅して泣かれるのが怖くて、長時間(5〜8時間)の外出になってしまいます。どうすれば泣き止んでくれるでしょうか。もともとうつ病を患っており、ストレス体質でヘビースモーカーでした。妊娠がわかってからは禁煙していましたが、完全ミルクにしてからまた吸い始めてしまいました。急に気持ちが落ちこみ、泣いたり(ひどいときは泣き叫びます)、イライラが止まらず物に当たったり、自傷行為に近いことをしてしまったり、死にたいと思うことさえあります。夫はよくしてくれていますが、自分は母親失格だと感じます。産後うつになってしまったこともあり、毎日がとてもつらいです。何かアドバイスいただければと思います。

回答者: 帆足暁子先生

 お子さんが生まれてからの1か月半、不安の中でたくさん考えてたくさんの思いをされてきましたね。もしかしたら、お子さんが生まれる前からも・・・。

 あなたの、このつらい毎日が少しでも、楽になれるように考えたいと思います。

 まず、あなたが母親として失格ではないことから始めましょう。
一番の証拠は、お子さんが泣いていても、あなたが抱っこをすると泣き止むことです。お子さんは一番大切な安心感をあなたから得ることができています。もうこれだけであなたはお子さんにとって良い母親です。

 でも、「帰宅して泣かれるのが怖くて、長時間(5〜8時間)の外出」はとてもつらいことです。いくら良い母親であっても、これではあなたのほうがまいってしまいます。

 あなたがつらくならないために、「お子さんが泣き止める」ことを考えましょう。

 お子さんは、「抱っこ」と「ベビーカーに乗せたり抱っこひもで抱いているとほとんど泣かない」ことがわかっています。抱っこは安心感に、外出は気持ちの切り替えになっているのでしょう。
 あなたが楽しめる外出時間はどれくらいですか?
 あなたが楽しく思える時間だけ外出して帰りましょう。帰っても、あなたの抱っこがあれば泣き止めそうです。お家の抱っこも、あなたがソファーに座ったり、お布団に寝ながらあなたのおなかの上に乗せたりする抱っこでも泣き止めば、少しは楽かもしれません。ポイントは、あなたがつらくならないでお子さんも泣き止みそうな折衷案です。

 あるいは、お子さんが泣いてしまうことが、「ミルクを180mL、間隔をしっかり3~4時間あける」習慣にまだ慣れていないからとも考えられます。これまでの習慣をお子さんが記憶していて、その違いが不安にさせているとすれば、いまの習慣を一貫して続けることで、新しい習慣でも大丈夫と、お子さんが安心すると泣かなくなるかもしれません。いまの習慣がお子さんの発達を守るのですから、お子さんに慣れてもらうしかありません。あなたにゆとりがあれば、チャレンジすると良いかなという提案です。

 次は、お子さんが泣き止めなくても、あなたがつらくならないことを考えましょう。
 どの母親も泣くお子さんと二人きりでいるのはつらいことです。お子さんはまだ生後1か月半。担当の保健師さんがいるはずです。できるだけその方に訪問してもらいましょう。泣いているお子さんをあなたの代わりに抱っこしてもらいましょう。いまは子育て支援の時代です。母親をサポートするたくさんの施策や手段があります。保健師さんはその地域の情報に通じています。いまのあなたに合った使えるサポートを教えてくれるはずです。ポイントは、一人でがんばらなくて良い、ということです。

 それよりも、心配なことはあなたご自身のことです。
 あなたのこれまでの人生はけっして楽しかったわけではなかったのですね。「夫はよくしてくれている」けれど、あなたはつらさを抱えているようです。あなたが、お子さんに「泣かれるのが怖くて、長時間(5~8時間)の外出になってしま」うことも、「うつ病を患って」いることも、「ストレス体質」であることも、「ヘビースモーカー」であることも、そして、「急に気持ちが落ちこみ、泣いたり(ひどいときは泣き叫びます)、イライラが止まらず物に当たったり、自傷行為に近いことをしてしまったり、死にたいと思うこと」も、そうならざるを得なかった理由がきっとある。

 いま、毎日がつらいあなただからこそ、自分のことを整理する機会にしませんか。あなたが抱えてきたつらい体験を、あなたが信頼できると思えた誰かにシェアしてもらいながら、整理することができれば、これからのあなたの人生を楽しくすることができると思います。

 それは担当の保健師さんでも良いですし、その方に心理士を紹介してもらったり、お子さんの主治医に紹介してもらったり、子育て相談をしている保育士さんや子ども家庭支援センターのスタッフでも良いと思います。誰にするかはあなたが決めて良いのです。良くしてくれる夫を選べたあなたですから、あなたなら大丈夫。自分に合った人を見分ける能力をあなたは持っていますから。

 お子さんのことを考えて、小児科を受診したり、妊娠がわかってからは禁煙したり、あなたがお子さんを大切にしていることが伝わってきます。同じくらい、自分のことも考えましょう。

 あなたはかけがえのない、あなたなのですから。