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性格・親のかかわり・育て方

Q. 3歳の娘への対応に悩んでいます。 (2022.8)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳と1歳の娘がいます。上の娘は今年から幼稚園に通っており、夕方は眠そうです。今年ぐらいから、自分がやりたかったことができないときや、よくないことをして私がダメだよと理由を説明していさめるようなことがあると、シクシク泣いたり、しゅんとすることが多くなりました。しばらく放っておきますが、しゅんとしたままのことが多いです。
また、主人との入浴の際などに、主人が娘に話しかけても返事をせずに自分のことを話したり、話しかけられても無視して遊んでいたりします。主人は「無視するなら、もう遊んであげない」と言って娘をいったん突き放しますが、私が娘のフォローをしたうえで、主人と娘で話をして、娘に反省させるということをしています。叱られて泣くことや、人の話を無視するのは成長過程で仕方ないことで、見守っているしかないのでしょうか。ちなみに、幼稚園では無視はしてないそうです。また、主人は、娘が何回も同じことを繰り返すときに、きつめに突き放してから、その後に娘と話をして、何がいけないのかと伝えていますが、こうした接し方で、娘が精神的に追い詰められてはいないでしょうか。

回答者: 高橋惠子先生

 「お姉さんだから」とか、そして、「もう幼稚園に入ったのだから」などの理由で、ご両親が3歳児にやや無理な期待をし、そのような対応をしているように思います。心の発達の過程からいえば、3歳児は幼く、親のたくさんの愛情や庇護を必要としています。抱っこされたり、「大好きよ」「大事な子よ」といった愛情を表現する言葉をたくさんかけてもらうことが必要な年齢だということを、まず、理解してください。

 とくに、現在は、幼稚園に入園しがんばっているお子さんの気持ちを考えることが必要です。幼稚園生活は、3歳児にとって大仕事のはずです。家庭とはまったく異なる環境で数時間を過ごすのですから、子どもはたくさんのことをがまんし、緊張していることでしょう。お子さんががんばって通園しているのはたいしたものです。夕方には眠そうになるのもよくわかります。このような時期の親の役割は、子どもの緊張を和らげ、「よくがんばっているね」と気持ちを受け止めて、ストレスを和らげてやることです。

 お子さんが、失敗して泣いたり、しゅんとしていたり、父親に反抗的な様子をみせるのは、子どもが幼稚園でのがまんをこのような方法で訴え、親に助けや理解を求めているのだと思われます。このようなときには、そのような行動を親が叱ったり、説教したり、もう遊んであげないなどと言うのは、心の傷を広げることになります。助けてと言っている子どもの気持ちを受けとめ、愛情で応えることが必要です。

 米国の臨床心理学者のロジャースは「無条件の肯定的配慮(unconditional positive regard)」が、人間には必要だと強調しました。「よい子なら愛してあげる」「○○ができたらかわいがってあげる」というような条件をつけずに、そのままの状態で相手を受け入れることです。質問を拝読して、いま、お子さんが求めているのはこのような“無条件な親の愛情”だと思いました。このような親の愛情は、「甘やかし」では決してなく、子どもが元気に生きるために必要なエネルギーになります。緊張の毎日をがんばっているお子さんが、現在、ご両親に求めているのはこのような条件つきではない愛情だと思います。ご両親でよく話し合ってみてください。