赤ちゃん & 子育てインフォ

ホーム妊娠・子育て相談室インターネット相談室Q&Aバックナンバー性格・親のかかわり・育て方

性格・親のかかわり・育て方

Q. 母親への独占欲が強すぎる4歳の娘。対応に悩んでいます。 (2022.9)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳2か月の娘は、私への独占欲が強く、私が娘以外の人と話すのを嫌がります。3歳ごろから、保育園で私が先生やお友だちに挨拶すると、「私のママだから話さないで!」と怒鳴り、ひどいときは私を叩いてきます。家庭でも、夫や親戚と話していると同様に怒鳴って会話をやめさせようとします。ちなみに、主人は子煩悩で、娘との関係は良好です。娘は、私が美容院に行くのも病院に行くのも嫌がります。いままでは一時的なものだろうと「はいはい」と流してきましたが、ひどくなってきました。そこで、ご挨拶は大事だし、誰とお話ししても〇〇のママなんだよ、ということを言いきかせますが、泣いて怒り叩いてきます。「叩いたら痛いよ」と言うと、「だったらお話ししないで! お話ししたら叩くよ!」と言い返してきます。もうすぐ妹が生まれるので不安定になっているのかもしれないです。どのように対応すればよいか、アドバイスいただけると幸いです。

回答者: 高橋惠子先生

 幼児が母親を独占しようとしたり、離れるのを嫌がるのは、自分が母親に愛されていることに自信が持てないからだと考えてみてください。母親としては子どもを大切に思っているし、かわいがって育ててきたのにと信じがたいでしょうが、子どもにはそれが十分には伝わっていないのだと考えてみましょう。保育園での生活や次子誕生のニュースが、不安のきっかけになったのかもしれません。

 このような“過依存”の状態のときには、子どもの気持ちを理解し、そして、しっかり受け入れてあげることが必要です。十分に依存要求が満たされると、子どもは「ママはわたしの味方だ、困ったらきっと助けてくれる」などと思えるようになります。母親は子どもの「安全地帯」のようなものだと考えるとよいでしょう。安心の基盤です。これがしっかりできなければ、子どもは不安でたまらないのです。そして、よい基盤ができると、“自立する勇気”が持てるようになります。

 このような時期には、子どもが“赤ちゃん返り”をしているように見え、また、わがままを言っていると思うかもしれませんが、子どもに伝わるように、十分に愛情を表現してください。「大好きよ」「大切な子よ」と言葉で伝え、そして、抱っこをしたり、添い寝をしたりなどのスキンシップも有効です。「もう、4歳なのよ」「しっかりしてね」などというのは逆効果です。「挨拶は大事よ」「誰とお話ししてもあなたのママよ」などということは、4歳児には分かりきったことでしょう。子どもが母親に訴えているのは、そのような理屈が聞きたいのではなく、母親の愛情が心配なのだと思います。

 次子の誕生が近い時期に長子が調子を乱すことはよくあることです。これまで一人っ子としてかわいがられてきた子どもは、次子に親の愛情が奪われるのではないかという不安を持つからです。親としては、生まれてくる次子を順調に受け入れてほしいと、赤ちゃんの話をしがちですが、多くの長子は親の次子への関心を知ると、自分は愛されなくなるのではないかと心配になるようです。親は「もうすぐお姉さんになるのよ」「赤ちゃんをかわいがってね」「赤ちゃん、楽しみね」などと言いがちですが、親の愛情をとられるのではないかと心配している幼児には、これらは禁句です。そして、次子の誕生後も、長子にこれまでと変わりなく、幼児にわかる方法で、愛情を注ぎ続けることが重要です。安心すれば、やがて、長子としての成長を見せてくれるでしょう。