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母乳とミルク・授乳

Q. 生後2か月で突然、哺乳びん拒否が始まりました。 (2023.1)

  • (妊娠週数・月齢)2か月

生後2か月の男の子を育てています。ある日突然、哺乳びんをいやがるようになりました。1か月健診では母乳も出ていて体重の増えもいいので「このまま完母でもいいくらいだ」と言われました。しかし、この先、預けたりすることもあるかと思い、1日1回は哺乳びんでミルクを与えるようにしていたのですが、ある日突然、哺乳びんからはまったく飲んでくれなくなりました。飲ませる人を変えたり、ミルクの銘柄を変えたり、哺乳びんの乳首を変えたりなど試してみたのですが、まったくだめです。この月齢で、カップでミルクを飲ませたりすることは可能なのでしょうか?

回答者: 市川香織先生

 生後2か月のお子さまが、突然哺乳びんをいやがるようになってしまい、お困りなのですね。母乳と人工乳の混合栄養方法だったお子さまが、ある時から突然哺乳びんでの授乳を拒否するということは、そんなに珍しいことではありません。とくに、お母さまの母乳がよく出るようになり、1か月健診では「このまま完母でもいいくらい」と言われたとのことですから、この子にとっては、大好きな母乳だけで満足という状態になっていると考えられます。これまでも1日1回の哺乳びんでの授乳だったということですので、すでに十分母乳だけで足りていたということですよね。

 まずは、哺乳びんで授乳することが必要か、という点をもう一度考えてみましょう。すでに職場復帰が決まっていて保育所に預けるため、何としても哺乳びんに慣れてほしいというような事情であれば、もう少しいろいろ試してみてもよいかもしれません。

 すでに、飲ませる人を変える、ミルクの銘柄を変える、乳首を変えると、試行錯誤されていますね。ほかには、ミルクの温度を変える(温かめに)、乳首を温める、消毒液のにおいを消す(電子レンジ消毒にする)、授乳する環境を変える、お子さまの授乳姿勢を変える、搾乳した母乳を哺乳びんであげてみる、などもあります。それでもだめなら、カップやスプーンでの授乳も試してみましょう。

 カップやスプーンは生後すぐから使えます。お子さまは生後2か月で哺乳も上手にできるので、いやがりさえしなければ十分可能な代替方法です。湯呑などもフィットするとよく飲んでくれます。災害時に哺乳びんの消毒ができない場合なども、カップやスプーンであれば身近にあり、対応できますよね。災害時には、紙コップを利用する方法などもあるくらいです。

 もし、保育所に預ける予定がない、あるいはまだ当分先で、必ずしも今すぐ哺乳びんに慣れておく必要がないのであれば、この練習自体、今は不要かもしれません。母乳だけでお子さまは満足していますし、お母さまも哺乳びんに気を取られず、ゆったりと親子の時間を満喫してもよいのではないでしょうか。数か月すれば、離乳食も始まります。成長の過程で、お子さまの状況も変わってきます。いまはいやがっていても、もう少し成長すると気にせず飲めるようになるかもしれません。ですから、哺乳びんが必要な状況ができた場合は、そのときにもう一度試してみてもよいかもしれません。

 また、誰かに預かってもらう場合も、数時間であれば、母乳を飲ませてから預け、預けている最中は授乳せず、そのあとすぐに授乳すれば、哺乳びんを使わずに済みます。たとえば企業内保育所などであれば、休憩時間に母乳をあげにいって乗り切る親子もいます。保育所もいろいろ融通がきく場合もありますので、こちらが預け先の条件に合わせるのではなく、こちらに合わせてくれる場所を探すのも一つの方法です。

 お子さまにとっては、お母さまの母乳がいま一番満足できて、安心できる授乳方法なのです。それを主張できるのは、素晴らしいことだと思います。焦らずお子さまとの時間を過ごしてくださいね。