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食事と栄養・離乳食

Q. 刻んだり、すりつぶしたりしない離乳食の進め方が気になります。 (2023.1)

  • (妊娠週数・月齢)6か月

最近、BLW(Baby-led Weaning)という離乳食の進め方があると聞き、気になっています。刻んだり、すりつぶしたりする手間が減ることは魅力に感じますが、6か月や7か月の赤ちゃんに、手でつかめるほどの固形物を与えてもよいのでしょうか? 消化器に負担を与えないのか心配です。

回答者: 太田百合子先生

 生後4か月ころになるとものをつかんで口に入れてなめたりしゃぶるようすが多く見られるようになるので、食べ物にしても持つことができると思います。6か月ごろから固形物を持たせる場合は、いくつかの配慮が必要です。

 1つ目は衛生面での配慮が欠かせません。食中毒予防としては、テーブルやいすなどを拭いて、子どもの手もきれいにして清潔にしてから開始します。後片付けも清潔を心がけてください。

 2つ目は消化・吸収能力に合わせます。まずは食物アレルギーの確認です。初めて与える食材は少量で試し、皮膚や排泄物などに異常がないと確認できたら、食べ慣れた食材を持たせてみてもよいと思います。消化能力に合わせながら、脂質、食物繊維などを多く含むものは、徐々に試していきます。

 3つ目は、誤嚥・窒息予防です。食べるときは正しい姿勢を保ち、窒息の危険性がある食べ物は与えません。また、大きさにも注意してください。例えば、りんごなどの一口サイズ、ナッツ類、ミニトマト、ぶどう、さくらんぼ、団子などの丸くてつるんとしたものは危険性があります。肉や魚は、加熱すると固くなるので、大きさや固さには十分注意して、手でつかみやすい形状に整えます。大人は、食事に集中できる環境を作り、子どもを一人にせずに見守ること、万が一のために救急法を学んでおくとよいと思います。

 4つ目は、栄養の過不足の確認です。子どもの好きなものばかりでは栄養不足になりやすいので、バランスよく用意し、定期的に成長曲線で発育を確認します。

 いろいろ工夫しても食べないという7か月児に、上記のことを守りながら手づかみ食べを試したら、その後は喜んで意欲的に食べるようになったというケースもありました。

 自分で食べたいと思うことの表れには個人差があるので、子どもの興味に合わせて無理強いせずに試してみてください。多くの子どもの場合、手づかみ食べは9か月頃から始まり、1歳代が全盛期になります。焦らずに子どもの発達に合わせてあげましょう。