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ママ・パパの気持ち

Q. 夫の育休が明けてからの子育てが不安です。 (2023.4)

  • (妊娠週数・月齢)4か月

4か月になる女の子の母です。私は3年、夫は1年の育休を取得し、夫婦で協力しながらとても楽しく子育てをしています。夫が家事にも育児にも、私以上に積極的で、本当にありがたく思う一方、私は授乳のせいか、毎日疲れてしまって思うように体が動きません。好きだった料理も億劫に感じ、自分自身が日々いやになり、夫に甘えすぎていることが申し訳なくなります。また、まだ先のことなのに、夫の育休明けに自分ひとりで家事をしながら子どもを育てられるのか、不安になってしまいます。実家・義実家とも遠方で頼れません。いわゆるワンオペ育児をされている方が多いなか、私の悩みはぜいたくなような気がして、なかなか周囲にも相談できません。この不安とどのように向き合えばよいでしょうか。

回答者: 帆足暁子先生

 お子さんが生まれて4か月。ご夫婦で協力しながら楽しく家事と育児をされているけれど、自分ひとりで家事をしながら子どもを育てられるのかが不安なのですね。

 そして、ご自分の悩みがぜいたくなような気がして、なかなか周囲に相談できないとも思っています。ワンオペ育児をされている方と比較すると、恵まれていると考えるのですね。確かに、客観的に考えればそうですが、不安や悩みはもともと主観的なものですから、あなたは誰にでも相談されて大丈夫なのです。

 あなたのいまの「楽しい子育て」は、あなたよりも積極的に家事も育児もしてくれている夫がいるからこそ、なのではないでしょうか。その夫が仕事に戻ってひとりで全部しなくてはならなくなったら、不安になるのは当たり前です。そのうえ、あなたは毎日疲れてしまって体が動かなかったり、好きだった料理も億劫に感じているのですから、なおさら自信がなくなってしまいます。

 実は、夫が積極的に家事や育児をしてくれると、いまのあなたの状況になりやすいのです。つまり、夫ががんばってくれる分、自分ががんばる必要がなくなり、気持ちがゆるむので、不調や疲れなどを感じやすくなります。反対に夫が何もしてくれないと、私ががんばらなければいけない、と緊張して、疲れなどを感じる余裕もなく、がんばれてしまいます。これには一長一短あり、どちらが良いとは簡単には言えません。人間はよくできていて、「自分」ががんばれているときには「相手」が休み、「自分」ががんばれなくなったときには「相手」ががんばるのです。そうやって無意識にお互いが支え合うようです。

 夫の育休が終わるころには、あなたはがんばろうと思えるように変わっていくかもしれません。もし、変われなかったとしても、さまざま子育て支援メニューを活用して、お子さんを社会と一緒になって育てていくことができます。地域で活用できる子育て支援メニューは、地区担当の保健師が把握しています。何でも相談して助けてもらいましょう。

 あなたが先のことを考えて不安に思うのは、自分を守るための心の働きです。そうやって想定できる不安に対する準備をして、そのときに耐えられるようにするためです。これは大切な防衛方法ですが、時にその不安に振り回されてしまい、大切な「いま」がないがしろにされてしまいます。でも、それは幸せになる方向とは反対です。

 ですから、「いま」は夫に甘えてやってもらうことを楽しみませんか。妊娠されてから出産に至るまでの月日や、出産後の身体の変化は心身ともにとてもきついことです。あなたが疲れてしまいやすいのは、これまでがんばってこられたからです。お互いさまと思って、いまは夫に感謝しながら、甘えることにしましょう。

 そうして、「いま」は「夫婦で協力しながら楽しく家事と育児をする幸せな生活」にしましょう。あなた方の幸せな生活の時間は、娘さんに「両親に愛された幸せな記憶」を作ります。何にも代えることのできない娘さんへのかけがえのない宝物です。

 それでも不安な気持ちが残るようでしたら、いまから保健師や子ども家庭支援センターなどのスタッフにもかかわっていただき、夫婦と専門スタッフで育児をする体制を作るのも良いやり方です。

 いまの生活を、そして、夫をありがたく思えるあなたなら、きっと自分にあった向き合い方を見つけていかれると思います。