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ママ・パパの気持ち

Q. 1歳の息子を義母が奪っていくように感じます。 (2024.5)

  • (妊娠週数・月齢)1歳0か月

1歳になる息子がいます。子どもが生まれたばかりのころは義母に嫌な気持ちもなく、抱っこしてかわいがってくれることをうれしく思っていました。しかし、成長するにつれて義母の行動が嫌になってしまいました。月に数回、子どもを連れて行くのですが、着くとすぐに奪うようにチャイルドシートから子どもを抱き上げます。ベビーカーを押していたら横から奪われます。抱っこしていたら当たり前のように子どもを横取りします。そうしたことを経験するうちに義母が嫌になってしまいました。現在、人見知りや後追いをしていて、私から離れると泣いてしまいます。しかし義母は、子どもが泣いていてもずっと抱っこしています。ママを求めてこちらへ来たいと泣きじゃくっていても関係なく、「ばぁばでいいの! いらっしゃい!」と離しません。それを見ていると、子どもがかわいそうでしかたないです。孫をかわいがる気持ちは素晴らしいし、主人の親なので大切にしたいとは思います。でも、子どもを会わせるのが億劫になってしまいました。私の心が狭いのでしょうか。

回答者: 帆足暁子先生

 まず、大切にしたいことはあなたの気持ちです。いろいろな気持ちがあるなかで、いま、一番あなたの中で大きくなってきた気持ちは、「義母が嫌になってしまった」ということではないでしょうか。

 あなたは、「子どもが生まれたばかりのころは義母に嫌な気持ちもなく、抱っこしてかわいがってくれることをうれしく思って」いました。そのあなたの気持ちが、月に数回、子どもを連れて行くにつれ、義母の行動や言葉によって心が傷つけられていったから、「義母が嫌になって」「億劫」になっていったように思います。なぜなら、母親であるあなたから子どもを「奪うように」「横取り」しようとしている義母の嫌な気持ちをあなたが感じているからです。そのあなたの感覚が大切です。そこには、あなたを守るセンサーが働いています。

 もし、義母があなたを尊重して、あなたに許可を取りながらお子さんにかかわってきたら、そういう気持ちにはならないはずです。あなたのセンサーはあなたをないがしろにしている義母の気持ちをキャッチして、危険だとあなたに知らせているのです。
義母のあなたやあなたの子どもへの気持ちは、義母と息子の母子関係(あなたのご主人との関係)にあったり、義母と義父の関係にあったり、義母自身の育ちに原因があったりします。つまり、単純にあなたと義母との関係で生じていることではないのです。

 義母にどのような原因や理由があるとしても、誰でも自分の子どもを「奪うように」「横取り」されたようにかかわられたら、心が傷つきます。あなたはどうやって自分を守りますか。
①義母の家には行かない
②「母との関係を作る大切なときですから、私以外の人には抱っこさせません」と言う
③「私が母親ですから、抱っこさせるときは私が決めます」と言う
④「抱っこしてもよいですが、泣いたら必ず返してください」と言う
⑤義母の好きにさせながら、義母の何がこういう行動をさせるのだろうと分析する
…等々、まだきっと方法はいろいろあると思います。大切なことは、どうしたらあなたが嫌な気持ちにならずに毎日を楽しく子どもと一緒に過ごせるか、つまり、あなた自身を守れるかです。

 あなたが見ていてわかるように、どんなに義母が子どもをあなたから奪っても、子どもは母親であるあなたが一番大好きです。あなたから生まれたことを子どもは一生覚えているのです。ですからどんなに義母ががんばってもあなたにはかなわない。すなわち、俯瞰して見れば、あなたが傷つくいわれはない、とも考えられます。
 さて、もう一つ守らなければならないことがあります。
 それは、お子さんです。
 お子さんがSOSを出したときに、あなたがそれに応えて、お子さんを守ることです。人見知りや後追いは、子どもが人に対する基本的な信頼関係を作ったり、SOSを出すことで必ず守ってもらえるという安心感を作ります。この体験を繰り返す中で、守られる自分のイメージを子どもが脳に刻み付け、一生分の安心感を作るからです。

 ですから、「ママを求めてこちらへ来たいと泣きじゃくっていても関係なく、『ばぁばでいいの! いらっしゃい!』と離しません。」といういまの状況が続くと、子どもにはSOS
を出しているのにママに守ってもらえない、というイメージが刻まれてしまいます。これは子どもにとって、自分の存在を否定する気持ちにもつながる、大きな危機です。

 あなたは、できるだけ客観的に物事を見ようとされる大人としての精神をお持ちです。
「孫をかわいがる気持ちは素晴らしいし、主人の親なので大切にしたい」と思えるのはとても素晴らしいことです。一方、あなたは義母が嫌になって子どもに会わせるのを億劫になってきているし、お子さんはSOSを出しても守ってもらえない体験もしてしまっています。

 母親から離されて祖母に抱っこされてばかりいた子どもが大きくなって、「寂しかった」と話してくれたことがあります。あなたとこれから育つお子さんの心を守るために、あなたが嫌な気持ちなら、いまの状況を変えましょう。
 ひとりでは不安でしたら、ぜひこども家庭センターや保健センター等のスタッフに相談してみてください。