教育・保育
Q. 5歳の男の子。保育園でトラブルが続いています (2024.11)
- (妊娠週数・月齢)5歳
5歳の男の子を育てています。保育園の担任の先生から、最近、子どもが荒れていると言われました。友だちの胸ぐらをつかんだり、唾をつけたり、足をふんだりするそうです。いつも悪い報告しか受けないので、担任の先生に会うたびに「何か言われるかも」と不安になります。子どもは習い事を2つしているのですが、担任の先生から「習い事をやめて、もっと親子の時間を作ってゆっくり過ごしたらどうでしょうか?」とアドバイスされました。私は公園に行くなどして、親子の時間を過ごしているつもりですが、シングルで育てている私には、家庭内に問題があるかのように聞こえました。子どもは習い事が楽しくて「やめたくない」と言っています。どうすればよいのかわからず、私自身泣いてしまうこともあります。アドバイスをお願いいたします。
回答者: 高橋惠子先生
保育園でお子さんが“荒れている”と担任の先生から幾度も聞かされれば、母親として動揺するのは当然でしょう。とはいえ、これからの対策を立てるためには、以下の2点についてよく確かめることが必要だと考えます。
第一に、お子さんが“荒れる”相手の友だちとは特定の友だちであるのか、それとも友だち誰にでもであるのかを確かめることです。ご質問の文面から、お子さんは家庭では乱暴な行動を見せていないようですから、お子さんには仲が悪い友だちがいて、その子との間で争いが起こっているのではないかと思われますがいかがでしょう。子どもが“荒れた行動”を見せるのには必ずそれなりの理由があるはずです。したがって誰に、どのようなときに、乱暴な行動をしているのかをよく先生に確かめてみましょう。
第二に、担任の先生は信頼できる人でしょうか。いつも子どもの悪い面ばかりを言う先生は問題だと思われます。お子さんの良い面もしっかり見ている先生でしょうか。先生とお母さんとの関係はうまくいっていますか。親に会うたびに悪い報告ばかりするという関係は決して良いものではありません。「今日はこんなことができましたよ」「元気にがんばりましたよ」という報告が聞けるような保育をしてほしいと考えます。母親としても悪い報告を受けるだけではなく、「今日はどうでしたか」「お世話になりました」と感謝できるような良い関係を期待したいと思います。先生との関係を考えてみてください。
これらの2点を確かめたうえで、母親としてできることを考えてみましょう。
第一に、家庭では乱暴をしたり、激高したりしないお子さんでしたら「保育園で乱暴をしてはだめよ」などと後で注意しても効果はありません。乱暴をしたその時点で「そのようなことをしてはだめよ」と伝え、「なぜ怒っているのか説明して、言葉で言ってみて」と理由や気持ちを聞いたうえで行動の指導をすることが大切です。これは、保育での先生の仕事になります。
それが難しいようでしたら「何が起こっているのか親として知りたいので」と伝え、しばらくの間、保育を見学させてもらいましょう。もしも見学を拒否されるようなら、この園に通園させ続けるかどうかを考えてみてはいかがでしょう。お子さんは習い事も楽しくされておいでのようですから、ぜひともこの保育園に通園し続けなくてもよいとも考えられます。
第二に、母子で公園に行くなど努力をされておいでのようですが、ママ友とのつながりや母親自身の友だち付き合い、あるいは公営の会合や行事など(たとえば広報などに案内があるでしょう)に参加するなどして、母親も子どもも「他者との付き合いの輪」を広げることを考えてみてはいかがでしょう。これは質問者が単親で子育てをしておいでだからお勧めするのではありません。核家族で、子どもの数も少ないという小さい家庭を営む現在の私たちは、大人も子どもも積極的に社会の一員になり、互いに助け合う努力が必要だと考えるからです。
お母さんは仲間を作りましょう。仲間には、今回のご質問のような事柄を体験した人もいることでしょう。子育てについての考えを聞かせてくれたり、あるいは広く人生の知恵を分けてくれる人もいるはずです。子育てではいろいろなことが起こりますので“私的な活動”として、親が抱え込むのには無理があることを、ぜひお伝えしたいと思います。