泣き・夜泣き・眠り
Q. うつぶせでしか寝られない生後5か月の男児 (2024.12)
- (妊娠週数・月齢)5か月
生後5か月の男の子を育てています。生後2か月ごろからあおむけで寝ることができず、ずっとうつぶせで寝せています。うつぶせで寝かせてからあおむけに変えたり、スリーパーやおくるみを使ったりもしましたが効果がありません。おくるみは、しっかり巻いても手足を大きく上げたりするので、ほどけて起きてしまいます。小児科の先生に相談したら「うつぶせはよくない」と言われたのですが、どうすればよいのかわかりません。ベビー用のセンサーと目で見て呼吸しているか確認しています。また漏斗胸の疑いもあり、たまに苦しそうにするので、それも心配です。あおむけで寝かせるには、どうしたらよいのでしょうか。
回答者: 田中秀朋先生
小児科医に「うつぶせ寝はよくない」と言われたのにどうしてよいかわからず心配なのですね。乳幼児突然死症候群(SIDS)という病気があります。眠っているうちに呼吸が停止し、心停止に至るものです。小児科医はそれを心配して助言したと思われます。
そもそも私たち哺乳動物が四つ足で歩くとき、背中が上、腹が下になるのが自然体です。ですからあおむけよりもうつぶせのほうが呼吸をしやすいのです。胸部と腹部の境界となる横隔膜の構造上、うつぶせでは肺が上、胃腸が下になりますが、あおむけでは肺の上に胃腸が乗っかってしまう位置関係となります。
お子様はうつぶせのほうが心地よく眠れるので、寝返りをしてうつぶせに戻るのです。あおむけで寝かせる努力がうまくいかないのはそのためです。寝返りができるようになるとSIDSの発症率が低下します。うつぶせに寝ていても呼吸が止まったらすぐに感知できるように、同じ部屋で過ごしてください。夜は寝息が聞こえていれば呼吸している証拠です。日中は目に見える場所で、夜は寝息が聞こえる場所で寝かせてあげれば安心です。SIDSの危険因子として、家族の喫煙、添い寝をする人の飲酒や睡眠薬の服用もあげられていますので、その点にも注意してください。たまに苦しそうにする、という点については動画を記録して医師に相談してください。