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泣き・夜泣き・眠り

Q. 3歳の息子が夜なかなか寝ず、イライラします。 (2025.1)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳の息子が早く寝てほしいのに寝てくれず、イライラします。わが家は、共働きで18時に帰宅、19時までには入浴をして、20時半までには布団に入ります。絵本を読み聞かせて寝かしつけをするのですが、なかなか寝ず、就寝時間が23時近くなることもあります。ベッドに行くと興奮して、在宅勤務で夜遅くまで仕事をしているパパのようすを何度も見にいったり、2階におもちゃを取りにいきたいと騒いだりします。夜、寝るのが遅いため、朝、すっきりと起きられず、保育園の登園はいつもギリギリで、親も仕事に支障をきたしています。
この状況で、私もイライラして、最近は保育園に迎えにいくのも憂鬱です。お風呂も手を洗うのもごはんもすべて「嫌!」と言われ、夜も寝てくれず・・・。毎日、疲弊していて感情が抑えきれず、子どもをつらい言葉で怒ってしまいます。また、寝ないのは本人のせいというよりも、親である自分が時間管理をしっかりしていないせいだと、自分を責める気持ちもあり、余計にイライラしてしまいます。
夫はたまに仕事を抜けて、お風呂に入れたりはしてくれるのですが、かまってくれるパパにうれしくなってしまうのか、かえって興奮してしまいます。これが余計に寝ない原因になるのでは?とも思っています。自分のイライラが抑えきれないことに、何とかしなければと思うのですが、どうしたらよいかわかりません。

回答者: 帆足暁子先生

 一番大きな問題は、あなたがイライラを抑えきれないことでしょうか。そして、イライラしてしまう原因は、息子さんがなかなか寝てくれないことのようですね。この二つは一見つながっているようですが、二つのこととして考えたいと思います。

 まず、あなたのイライラについて考えます。
 一般的に、共働きの母親は帰宅してから、家事・育児などしなければならないことが満載です。ですから、共働きで子育てをしている母親はイライラするのは当然です。頭の中で翌朝出勤するまでの時間の流れを考え、やるべきリストの段取りを作って動いているのです。仕事ができる母親はこれらのことが得意です。合理的に物事を考える力があるからです。
 ただ、問題はそこに「子ども」が入ってくることです。とくに、2歳前後から3歳代の子どもはぐちゃぐちゃな主観の塊で、合理的に動くことはできません。この合理的に動いてくれない「子ども」に合理的に動いてほしいと言うのですから、そもそもそこに無理があります。
 つまり合理的に進めたい母親と合理的に進みたくない子どもという組み合わせですから、思い通りにはならずにイライラを抑えきれないことは当然だということになります。

 では、どうすればイライラしないでいられるかということですね。一番有効なことは、捉え方を変えることです。子どもの発達を理解して、子どもは思うようには動かないものだということを受け入れようとすることは、役に立ちます。また20時半までには布団に入るのに、眠るのは23時近くになることもあるとすれば、22時半に布団に入ればよいかもと思えれば、気持ちにゆとりができます。3歳の子どもが寝るには遅すぎる時間ではありますが、不思議なことにこちらが寝なくてもよいかもと思うと、子どももこだわらなくなり、気づくと寝ていたりします。

 次に、なかなか寝てくれないことについて考えましょう。
 子どもは母親が寝かせようとすればするほど、母親の思いをキャッチして寝なくなるという現象は、昔から保育園でも言われてきました。ですから、あなたが時間を気にして寝かせようとすることは、逆に寝かせなくしてしまうことにつながってしまっています。
 では、寝てくれるための方法です。
 一つは、既述したようにこちらが寝ることにこだわらないでいるということです。「寝る」をこだわり行動から外すことで、寝たくなったら寝るようになっていきます。
 「ベッドに行くと興奮して、在宅勤務で夜遅くまで仕事をしているパパのようすを何度も見にいったり、2階におもちゃを取りにいきたいと騒いだり」する段階で、すでに興奮状態にいますね。父親の在宅勤務は子ども視点では「遊んでくれるはず」という思いになりやすいので、親と子どもの間でトラブルになりやすいのです。また、親と遊ぶのが特別だと興奮します。その場合には、毎週末に父親に遊んでもらって、父親と遊ぶことに特別感がなくなれば興奮しなくなります。
 子どもは大人に関わってほしいことが多いので、「もう、眠くなったから先に寝ます」と言ってあなたが寝てしまうと、子どもはつまらなくなって寝てしまうか、父親の仕事の邪魔をして叱られるかになると思います。寝たふりはダメです。覚悟を決めてたまには本当に子どもと一緒に寝てしまってください。
 あるいは寝るための入眠儀式として、あなたと一緒に布団に入り、そこで静かにあなたが息子さんを主人公にしたお話をしたり、絵本を1冊だけ読んであげるというように、「はい。これであなたは寝ます」というお決まりのパターンを作ると、それで寝るということが定着することがあります。

 それから、あなたはきっとぎりぎりの状態で毎日がんばっておられるのだと思います。ですから、あなたの段取り通りに息子さんが動かないことが、よりあなたのイライラを作っているのだと思います。もしゆとりがあれば、そんなにイライラしないのではないでしょうか。できれば、あなたのイライラを減らすために、月に1日でも週に半日でもよいので、父親にも協力してもらって家や子どもから離れると、本来のゆとりのあるあなたを取り戻せると思います。そうは言われても、どうしたらゆとりをもてるのかわからなかったり、自分のイライラをひとりでは抱えきれないと思ったら、こども家庭センターや保健センターには専門家がいますから、ぜひ相談してみてください。