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性格・親のかかわり・育て方

Q. 3歳。防犯などをどのように教えたらよいでしょうか? (2025.2)

  • (妊娠週数・月齢)3歳

3歳半の子どもがいます。公園にいる人全員を「遊んでくれるお友だち」だと思っており、私から離れて、いろいろな人に話しかけます。いままで人見知りがなく、すれ違う人全員にあいさつする時期もありました。初対面の子とお互い楽しそうに遊ぶこともよくあり、それはよいことだと思うのですが、二つの点で困っています。
一つは「防犯をどう教えていくか?」です。ひとりでいる大人にも話しかけに行くため、世の中には悪い人もいることも教えなければと思っていますが、「知らない人へのあいさつをやめなさい」というのも違う気がして、どんなふうに教えたらよいか悩んでいます。
もう一つは「ほかの人の事情を考えられるようになってほしい」ということです。一緒に遊びたくなさそうな人や、遊んでくれたけれど帰る時間になった人にでも「一緒に遊ぼう!」と泣きながら訴えます。その場から離れて事情を説明しますが、すぐには気持ちを切り替えられません。困っている相手を見ると申し訳なく、強制的に連れて帰ります。外で遊ばせづらく困っています。

回答者: 遠藤利彦先生

 まずは大前提として、お子さんの人に対して積極的で社交的な性質は、基本的にはとても良い個性かと思いますので、それ自体を否定することは決してあってはいけないものと思います。しっかりとお子さんの一つの光る個性と受け止めたうえで、それが今後のお子さんのさらなる強みになるように、適切な方向に伸ばしていくことを考えましょう。
 そのためには、日ごろのお子さんのほかの人との関係の中における言動で、親御さんがあまり良くない、あるいは少し危ないと感じたことに関しては、その都度、叱るということではなく、真顔でそれがなぜ良くないのか、危ないのかについて、しっかりと言葉で説明することを習慣化していきたいものです。また、良くないことや危ないことだけではなく、良いことや好ましいことに関しても、なぜそうなのかという理由も添えて、肯定的な声かけをすることも大切です。
 3歳という年齢からすると現段階では、お子さんが親御さんの言葉での説明をちゃんと理解し、すぐに行動を変えるということは難しいかもしれません。しかし今後、年齢が上がるにつれ、お子さんの認知能力が高まっていくにつれて、それを地道に続けていくと、徐々に確かな効果が見えてくるはずです。
 お友だちとの関係においても同様です。心理学の研究においては、早い段階で他児に強く関わろうとしてしばしばトラブルを起こしていた子どもが、そのトラブルの苦い経験やそれに対する親御さんなどからの助言を通して、相手への思いやりや人との適切な関わり方などを学び、結果的にその後、人気者になっていく傾向があるという知見も得られています。少し長期目線で、じっくりと取り組んでいただければと思います。