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食事と栄養・離乳食

Q. 1歳2か月。少食で、軟飯を吸うように食べます (2025.6)

  • (妊娠週数・月齢)1歳2か月

1歳2か月の娘のことで相談です。離乳食の完了期となり、かじり取りができるようになりましたが、なぜか軟飯を食べるときは、吸うように食べて、少しずつしか食べません。味がついたごはんやカレーなども同様です。小さいおにぎりを作って自分で食べられるようにもしていますが、あまり食が進みません。このまま様子を見ていてよいのでしょうか。

回答者: 太田百合子先生

 1歳ごろになると、大人と同じような食事が食べられるようになる一方で、授乳のような吸う動きも残っていることもあります。粘りがあるような軟飯や混ぜごはんなどは、上顎に張り付きやすく、舌で歯ぐきに移動させる力も弱いために吸うような食べ方になります。カレーは、ごはんにルーをかけると、ごはんの粒がばらけると同時に粘りがあるので、軟飯と同様に吸うような食べ方になりやすいものです。お口に入れる前後に、口の中を水分で潤してあげたり、一口量を少量にするとよいかもしれません。
 かむ力もまだ弱いために、かじり取りができるかたいものばかりでは咀嚼することに疲れたり、食事中に眠くなったりしてかたいものも吸うように食べることもあります。そんなときに誤嚥しやすいので、大人が対面に座って、噛んでいる様子を見せたり、「カミカミ、アギアギ、ガシガシ」などの声かけをしたり、手元で食材を小さくしているのを見せて食べさせたりしながら咀嚼力を高めていきます。眠そうなときは無理強いしないでください。
 あるいは、指しゃぶりと同じように固形のものを吸って楽しんだり、気持ちを落ち着かせるために吸う様子が見られることもあります。この場合はしばらく見守ってよいでしょう。
 奥歯が生え揃う3歳前後くらいになると自然に咀嚼力が高まり、吸い食べも少なくなるでしょう。それまでは、さまざまな食材で食べ物のかたさや形状の違いを教えつつ、遊びにより体幹と口周りの筋肉や顎の力を高めていきます。おもちゃをかむ遊びや、シャボン玉遊び、ラッパ・笛などの口を使う楽器遊びも、自然と顎の力を鍛えることができます。食卓環境としては、食べるときに足裏を床にしっかりつけて正しく座れるように調整することも大切です。
 少食のお子さんなので、器にはあらかじめ少量盛りにして、全部食べられた喜びを感じられる機会を増やし、食事の前はおなかがすくような生活リズムを心がけましょう。このように状況に応じて対応していきます。子どもの食べる様子を見守りながら、いろいろ試してみてください。