ママ・パパの気持ち
Q. 生後10か月。2人目を「産んでよかった」と思えません (2025.8)
- (妊娠週数・月齢)10か月
生後10か月の第2子が生まれてから、ずっと「産んでよかった」と思えない思考にとらわれています。下の子には、つい「ママの子どもは、お兄ちゃんだけでいい」「あなたはいらない」「触らないで」「うるさい」などとひどいことを言ってしまいます。足元で泣いていても抱っこもしてあげません。こんなことではダメだとわかっているのに、急に心のストッパーが外れてひどいことをし続けてしまいます。さっきは、ほっぺを叩いてしまいました。
下の子は、以前はニコニコよく笑い、愛嬌がある子だったのに、最近は笑うことが減って、おびえている感じがします。私は、どうしたらよいのでしょうか。下の子の精神状態が心配です。
回答者: 帆足暁子先生
第2子を産んでよかったと思えない。そして、下の子どもへの自分のかかわり方が自分でひどいと思っているのですね。愛嬌がある子どもだったのに、おびえている感じがする。あなたが、一番苦しんでいるようです。あなたが一番心配です。
「ママの子どもは、お兄ちゃんだけでいい」ということですから、あなたは子どもが嫌いなわけではない。とするなら、なぜ下の子どもにだけひどいことをし続けてしまうのでしょう。
それには、必ず理由があります。あなたがそうしないではいられない理由です。それを考えていきましょう。
まず下のお子さんが生まれてから、あるいは、あなたが下の子どもが嫌だと思ったころ、何か環境の変化はなかったですか? パパとの関係や、実母との関係、あるいはきょうだいや、近所の人。
もしくは、パパの仕事や上の子どもの習いごと、あなたの生活に関わるような何か。経済的なこともあるかもしれません。
あるいは、家族や親しい人の病気など、あなたがつらく悲しくなるような出来事。
なぜなら、いまのあなたは、幸せではないからです。それらが下のお子さんの存在という、対象にすべて表現されているような気がします。
あなたは、「こんなことではダメだとわかっているのに、急に心のストッパーが外れてひどいことをし続けてしまいます」。あなたは自分のしていることがダメだとわかっています。それでもしてしまうということは、それは、いつものあなたではないはずです。
いつものあなたではないことをするときは、実はそのことではない、ほかの問題が隠れていることが往々にしてあります。もしかしたら、本当の問題は見たくないので、下のお子さんを対象にすることで、自分を守っているのかもしれません。
もしかしたら、自分はひどいことをしているとすることで、自分を罰したいと思っている何かがあるのかもしれません。
人がすることには必ず意味があります。それがなぜ起きているのか、それをひも解いていくと、きっとあなたは楽になれるはず。
でも、ひとりでこの作業をするのは大変です。上のお子さんから関わっている信頼できる保健師さんはいないでしょうか。こども家庭センターや児童館等のスタッフでも、あなたが信頼できると思える人だったら話を聞いてもらって、あなたの心の整理を手伝ってもらってください。専門職はそのためにいるのです。
そして、できるだけ早く、あなたが幸せだと思って生活できることを考えていきましょう。