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ママ・パパの気持ち

Q. 2歳9か月の子の母。“子育ては失敗できない”と緊張してしまいます。 (2025.10)

  • (妊娠週数・月齢)2歳

2歳9か月の子どもがいる母親です。あっという間に大きくなり、最近、叱ることが増えました。子どもは、少し叱るだけでも嫌がって泣きます。叱ると子どもから「怒ったらあかん!仲直りしよう」と言われ、言われている自分が情けなくなり、子どもに対して申し訳ない気持ちになります。
悩みは、私の子育てに対する考え方です。私は、子育ては一日一瞬が戻らない貴重な時間。だから失敗はできないと考えて、緊張してしまいます。
「失敗できない」と思うものの、自分自身の子育てを顧みると「子どもへの接し方を失敗しているのではないか・・・」と後悔と罪悪感があります。もっとこうしてあげればよかった、怒らなければよかったなどと考え、子育ての喜びや幸せより罪悪感が勝ってしまいます。子どもを幸せにしてあげたいのに、できなかったことばかりが心に残り「自分はダメな母親だ・・・」と、罪悪感でいっぱいになります。私は、苦しいぐらい深く子どもを愛しています。毎日、何度も抱きしめて愛を伝えています。どうしたら罪悪感に勝てますか。

回答者: 帆足暁子先生

 あなたの悩みは、子育ては失敗できない貴重な時間と考えていながらも、実際には、自分の子育てが失敗しているのではないかと、後悔や罪悪感を抱えてしまっていることなのですね。そして、罪悪感より子育ての喜びや幸せを感じたいと願っているし、子どもを幸せにしてあげたいと思っているのに、それができないダメな母親だとも思っているようです。

 まず、あなたの悩みである子育てへの考え方と実際の子育てについて考えてみましょう。あなたは「子育ては一日一瞬が戻らない貴重な時間」だから失敗はできないと考えて緊張しています。もしかしたら、失敗できないという思いが強すぎて、その強い思いが、子育てに向いてはいないでしょうか。あるいは、そのあなたの強い思いに子どもが応えてくれないと思うことはないでしょうか。「思いが強い」ことが高じると、自分の思い通りにしたい思いにつながることが往々にしてあります。あなたの思いが「子育てを思い通りにしたい」「子どもを思い通りに動かしたい」という思いに変わっていっているとしたら、あなたの思い通りに子育てができないことや思い通りに応えてくれない子どもに怒りを感じて叱ることが多くなってしまうかもしれません。それはあなたの願っている幸せとは違う方向ですから、実際の子育てに自信をなくして罪悪感をもつことは十分に推察できます。

 では、どうしたら罪悪感をなくしていくことができるでしょうか。
 あなたは「子育ては一日一瞬が戻らない貴重な時間」と強く考えています。きっとそう考える理由があなたにはあると思います。あなたはその「考え」が大切だという強い思いになって、心が縛られてしまっているように思います。でも、大切なことは「考え」ではなく、あなたとお子さんであるはず。あなたが幸せでないとしたら、その考えは少なくともいまのあなたには合わないのだと思います。その考えが合っていたら、あなたはこうして悩むことはないはずですから。

 ですから、「子育てに対する考え」ではなく、あなたとお子さんを大切にすることを考えたら、罪悪感はなくなり、子育ての喜びや幸せを感じられるようになるはずです。

 あなたが書かれた「叱ると子どもから『怒ったらあかん!仲直りしよう』と言われ」たという文章を読んだとき、私はあなたもお子さんも素晴らしいと感心しました。お子さんの言葉は、きっとあなたに育てられてくる中でお子さんが学んできたことだと思います。2歳9か月はまだまだイヤイヤ期で、体での反抗が強い時期。それなのに、おふたりが幸せになれる方法をお子さんが提案しているのです。あなたが素敵な子育てをしているからです。もしかしたら、あなたは自分のダメなことばかりが見えて、素敵なところは見えていないのかもしれません。

 物事には必ず両面があります。お子さんの言葉が、私には素敵な関係だと思えましたが、あなたは情けなく思いました。このように、物事をプラスに捉えるようにしていくと、子育ての喜びや幸せを感じることが多くなります。ただ、これはいままであなたが物事をプラスに捉えてこなかったとすると、少しトレーニングが必要です。

 ひとりでやってみて難しかったり、あなたの子育てへの考え方やお子さんへの思いが強すぎて、あなたが幸せだとなかなか感じられなかったりするときには、子育ての専門家に一緒に子育てを手伝ってもらいましょう。プロはそのためにいるのです。
 あなたが幸せに生活できることが何よりも一番大切なのです。