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泣き・夜泣き・眠り

Q. 夜中に目覚めて暴れ出す4歳の娘と、夜泣きする7か月の息子。 (2016.9)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の娘ですが、昨年、幼稚園に入った頃から、寝ついて2時間位たつと暴れ始めることがありました。暴れるのは長くて数分で、声をかけて起こすと目を覚まし、私の姿を確認したらまた寝入ります。ネットで調べて夜驚症かと思いましたが、症状が出たのは1学期の間だけでしたので、入園と私の妊娠が重なったことが原因かと思っていました。ところが、またこの春から、かなりの頻度で暴れるように。
さらに最近になって、7か月の息子の夜泣きがはじまり、娘もその泣き声で目覚めてぐずり出します。息子は寝入ってから30分〜1時間半の間に泣き出し、授乳、抱っこでも泣き止みません。今は、夜泣きのたびに起こされる娘の成長に支障がないかが一番の気がかりです。また夜泣きの対処法はどうしたらいいでしょうか。ほうっておくと5分ぐらい泣いて、また寝てしまいます。

回答者: 横田俊一郎先生

 睡眠中に起こるいろいろな問題は「睡眠障害」と呼ばれていて、2008年3月にも回答させていただいたことがあります。不眠症も含めてさまざまな睡眠障害がありますが、睡眠の早い時期(入眠後1〜3時間)に起こる異常行動は「覚醒障害」といい、深いノンレム睡眠からの覚醒がうまくいかないために不完全に覚醒することが原因だと考えられています。覚醒障害にもいくつかのタイプがあり、一つは「夜驚症」で、夜間急に起き出して怖がって泣いたり、大暴れしたりします。目を大きく見開いたり、汗をかいたりしていることもあります。本人に意識はなく、目を覚まさせると「どうしたのだろう……」というような顔をして正気に戻りますが、暴れたことは覚えていません。もう一つは「夢遊症」で、急に起き上がって歩き始める、逃げるような行動をとる、などが見られますが本人はまったく覚えていません。また、乳幼児が眠り始めの深い眠りから中途半端に目が覚めたときに、泣き叫んだり、手足をバタバタさせたりするような行動は「錯乱性覚醒」と呼ばれています。

 4歳の娘さんの症状は「夜驚症」にあたると思います。どうして夜驚症が起こるのかは正確にはわかっていませんが、遺伝する傾向があります。怖い夢をみていることが関係していることもあり、昼間に怖い体験や大きな興奮・緊張があると起こりやすいということを経験します。お母さんの妊娠や弟の誕生が関係している可能性もありそうです。しかし、夜驚症は3〜5歳くらいから始まって小学校低学年でほとんどのものが治ってしまいます。生活リズムなど日中の生活を見直しながら様子を見ていれば大丈夫です。 

 7か月の息子さんの症状は月齢から考えて「夜泣き」でよいと思います。夜泣きもどうして起こるのかはわかっていませんが、レム睡眠(寝ていますが、脳波上は覚醒している状態)が関係していると言われ、多くの赤ちゃんが経験しています。できるだけ暗くて静かな所で寝かせる、昼間にあまり興奮させない、などの対処法が考えられますが、どれも特効薬というわけではなく、大部分は時間が解決してくれます。ただし、お姉さんに夜驚症があるので、睡眠障害を起こしやすいような体質を持っているということも考えられ、通常よりひどい夜泣きなのかもしれません。お姉さんの睡眠への影響も心配でしょうが、成長に支障が出るような影響はないと考えて大丈夫です。

 どちらも時間がたてば解決されると思いますが、ご家族がたいへん困るという状況であれば一度小児科を受診することをお勧めします。ひどい夜驚症がてんかんなどの一部の症状であることも稀にはあり、どこかに問題がないか診ていただくのがよいと思います。また、症状に対しても入眠剤が有効なこともありますし、漢方薬でもよく効くものがありますので、ぜひ相談してください。