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性格・親のかかわり・育て方

Q. 4歳の男児。かんしゃくが激しく、対応法で悩んでいます。 (2017.4)

  • (妊娠週数・月齢)4歳

4歳の男の子です。1歳から保育園に通っています。頭の回転も速く言葉も達者に話しますが、気に入らないことがあると、保育園でも家でもかんしゃくを起こします。理由は、例えば「園庭に行けると思っていたのに行けなかった」「お迎えが来たがまだ帰りたくない」などささいなことで、機嫌を損ねて激しく泣き、物を投げたりします。以前、保育園のお皿も投げて割ってしまいました。かんしゃくを起こすのは、大抵、自分の予測したとおりにならなかったときのようです。物を投げるのは危ないのでつい怒ってしまうのですが、こちらが怒ると余計かんしゃくがひどくなってしまいます。こういう場面でのいい対応方法はないでしょうか。また2歳頃からこうした傾向があるため、成長してもかんしゃく持ちの大人になってしまうのではと心配です。

回答者: 汐見稔幸先生

 伝典型的なかんしゃく持ちタイプですね。子どもの中には一定の割合で生まれつきかんしゃく持ちの子がいます。私自身も多少そういうところがありましたが、私たちが子どもの頃は、たとえば木登りなどをあたり前のようにやっていました。木はこちらの都合ではどうにもなりません。うまく登れないときに木に当たっても仕方ありません。そういうことを繰り返しているうちに、かんしゃくを起こしてもどうしようもないことを少しずつ学んでいきます。その意味で、以前は、かんしゃく持ちでもそれを克服するための場が、今よりも多かったといえます。

 今の子どもたちには、そうした環境があまりありませんので、いきおい、かんしゃくを収める練習が不足しがちです。このように言うのは、かんしゃくは、脳の反応の個性で、興奮は早いのですが、抑制することが苦手なタイプの子どもに起こる行動パターンだからです。これを克服するには時間がかかり、本人がその気になってガマンして別の可能性を思い描くような練習をしてかんしゃくを緩和していくしかありません。お母さんが頭にきて、叱るようなことをしても、かえって逆効果になりがちです。お子さんが小学生になる頃には、自分がそういう行動パターンを持っていることを自覚し、自分でもまずいなと思うようになります。

 ですから、かんしゃく場面では、子ども自身が困っているのだろうなと親の方が感じて、「また頭にきて困っているんでしょう」等と、子どもの気持ちに共感するような対応を増やしていってあげてほしいと思います。そういう対応をていねいに重ねていき、お子さん自身が友だちとの関係をより親密につくっていくことが重なりますと少しずつガマンできるようになっていきます。

 こういうタイプのお子さんは、大人になっても根本的な性格は変わりませんが、逆にいざというときに大きな行動力を示す可能性がありますので、お母さんとしては、苦労はすると思いますが、楽しみな子だと思っているといいですね。